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生きづらさに根付くプライド! シニア男性の悲しいサガ

ヒロおじ

定年退職後の最初は良かったけど、最近は孤独を感じることが多いな

女性に比べて、特に中高年男性はコミニュケーションが苦手です。その原因の1つに無駄に高いプライドがありますね。

サキ先生
ヒロおじ

耳が痛いです。お話を聞いて、これからの生き方を考えます

シニア男性の悲しいサガ

孤独に関しての科学的研究で、『ソリチュード』は〇で、「ロンリネス」は✕であると実証されています。

名称 評価 内容
ソリチュード自分の意志で1人の時間を楽しむ
ロンリネス誰にも頼ることができず、不安で寂しい気持ちを抱く ⇒心身ともに大きな負荷を与える

ソリチュード」の領域であればいいのだけれど、年老いてくれば自然と「ロンリネス」に近づいていきます。意識していなくても、ある日突然「ロンリネス」になることは、ケガや病気などであるかもしれません。仮にそうなった場合でも対応できるように、周囲の人との関わりを持つ必要がありますね。

生きづらさの根っこにあるもの

シニア男性は、同年代の女性に比べて周囲の人との関係性は良くない傾向にあります。なぜなのでしょうか。

コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師の岡本 純子(おかもと じゅんこ)さんは、長らくおじさんウォッチングを続けてきました。その結果、彼らの「生きづらさ」の根っこには、4つの要因があることが分かってきました。

  1. プライド
  2. 承認欲求
  3. 男らしさの縛り

この4つは、単独のようにみえますが、すべてに関わりがあります。

特に大事な「プライド」を中心に考えていけば解決の道が見えてきそうです。

会社生活で定年前に、よく先輩より「定年を迎えたら、プライドと肩書を徹底的に捨て去りなさい」と助言されます。

しかし、分かっちゃいるけどですね。捨てなければならない「プライド」はどのようにして、おじさんの最大の呪縛になっていくのでしょうか。


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会社生活の中で「権力」を持つことにより、「プライド」というものが増大し、上司らしく振る舞わなければという責任感がいつしか、プライドやおごりに変わっていったと言われています。特に高い役職についていた人は、上から目線で話し、敬語で「かしずかれる」ことに慣れていたので、どうしても横柄な態度になってしまうのでしょう。

そうすると、会社とは関係がない地域の人には、横柄で感じの悪い人だという印象になってしまうのですね。

プライドが高い人は自分のプライドを「自尊心・誇り」と考えていて、周りの人はプライドが高い人のことを「高慢で尊大な人、傲慢な人」と考えているわけです。この感覚のズレは、非常に掴みにくいです。

私も常に、妻から上から目線と文句を言われます。本人は全くそのような意識がないだけに、余計厄介で喧嘩の下です。

「承認欲求」の話題

●選挙の手伝いをするボランティア活動の中で、中高年の男性は、声がけや感謝の意を伝えないとすねてしまうという話がある。

☞「無償の奉仕」に慣れていない男性なので、知らないうちに自らの奉仕に対し、その働きを認めプライドをくすぐるような「対価」=褒め感謝の言葉を求めているという事なのです

※精神科医:土居健郎の著書『「甘え」の構造』で指摘

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悪いプライドの弊害

会社の組織の中で、上司・部下のような上下関係でのコミュニケーションを長く続けていると、バリバリ働く女性管理者も「プライド」をまとい易く、「孤独」もおじさんだけではなく女性も感じるようになるのです。

また、プライドという言葉は、キリスト教では罪の根源である7 deadly sins(大罪)の筆頭に挙げられています。

  1. 傲慢(pride)
  2. 強欲(greed)
  3. 嫉妬(envy)
  4. 憤怒(wrath)
  5. 色欲(lust)
  6. 暴食(gluttony)
  7. 怠惰(sloth)

以上、7つの感情や欲望です。傲慢(pride)は悪い感情の代表です。

一方で、誇り」に当たるプライドは、ポジティブな効果をもたらすことが実証されています。サウスウェールズ大学の研究では、プライドが忍耐力ややり抜く力につながり、勤勉さと献身に結び付くと結論づけられています。

つまり、プライドには「良いプライドの誇り」と「悪いプライドの傲慢」の2種類が存在するのです。(「誇り」と「傲慢」:左記に詳細の記事があるので参照ください。)

「正真正銘のプライド=誇り」とは、自分の持つ能力に対して抱く感覚です。匠の世界のように自分の作り出す作品に対する誇り、仕事に対する献身やその成果に対する満足感など、自分の内面から湧き上がってくる内発的モチベーション

こうした誇りのプライドは周囲から共感も得やすく、また、自分のノウハウや技を共有し、他者をサポートしようとする行動につながりやすいのです。脳科学的にも、他者とのつながりを促進するセロトニン(幸福ホルモン)の分泌があるとされています。

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逆に、「高慢なプライド=傲慢は、自分の有能性や支配力を過度に誇示しようとするために、脆弱な自我と不安を隠し、攻撃性を伴う。こうした傲慢なプライドはテストステロン(男性ホルモン)の分泌が増大し、他者との闘いを好み、関係性を阻むと言われています。

「相対的な自信」は百害あって一利なし

「誇り」と「傲慢」を比較すると、下記になります。相対的な自信は百害あって一利なしということなのです。

名称  抱く感情      内容
誇り絶対的な自信他者からの評価とはまったく関係がない。自分の判断に委ねる
傲慢相対的な自信他者からの承認や評価に依存して得られるもの。他人と比較したときの優位性に基づくもの

「良いプライド」は謙虚さを伴い、職人が、現状に満足せずに、つねに高みを目指し、より良いものを作り続けようとする姿はこの典型です。一方で、問題になっている傲慢なプライドは、自分を進化させていく努力をやめ、他者との競争や、他者からの承認によって自己の存在意義を求めようとしています。そこには、空虚さと孤独しか残りません。

まとめ

男性は特性上、他者とは闘い、勝ちあがることに喜びを持つサガがあります。

男性ホルモンが元々そうであるように勝ち上がることを良しとされています。猿山のボスですね。ですから、初対面の方とは自然と値踏みをして上下関係を頭に描いてしまいます。よって、ギスギスした関係になり、良いコミュニケーションを築くのは難しくなるのでしょう。

しかしながら、年を取ることにより男性ホルモンの分泌も弱まってくると闘いモードは減っていきます。その時は、今までの悪い人間関係が尾を引き苦しくなります。同時に我慢する力も弱まっていますので、怒り易くなってしまいます。

悪いルーチンが分かってきましたので、良いルーチンに変わるように、そこは奮起して飛び込まなければならないところかも知れません。できれば『良いプライド=誇り』を身に付けていきたいですね。今までと違う景色が見えるかもしれません。