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少年野球のルールもMLBの動向で左右される! 良いことなのかな?

少年野球は軟式ボールに代表されるように、日本独自で発展してきた面があります。

ヒロおじ

しかしながら、野球は近年五輪やWBCに代表されるように国際試合が増えてきました。その為、世界共通のルールが定められてあります。それは、長年の歴史と世界的な力関係より、世界共通のルールはMLBがベースになって築かれていきます。

近年、野球のルールが変わったなと思われる人が多いのではないでしょうか。少年野球にも影響が出てきています。代表的なところを追ってみましょう。


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野球ルールの統一化

野球が日本に伝わってきたのは、正岡子規に代表されるように明治時代に、アメリカからです。硬式ボール仕様でのものです。

それから、日本の各種団体で普及に向けて、アレンジが加えられていきます。最たるものが、軟式野球です。当時、硬式ボールでは危険で多くの子供たちには広がりませんでした。そこで、当たってもケガしないゴムの軟式ボールが開発されたのです。お陰で、参加人口が増え野球が広まっていきました。この流れより、少年野球も軟式で始まりました。

私は日本の野球とMLBは別物と思っていました。その最たるものは、ストライク、ボールのカウントの呼び方です。日本では、ストライクが先でボールが後のSBO方式でした。2-1と言えば、2ストライク、1ボールと呼んでいました。

WBCの1回目が開催されたのは2006年で、2回目が2009年です。WBCは国際ルールなのでカウントはBSO方式で、ボール先行型です。日本は独自路線をとっていましたので、選手諸々、違和感を感じたのでしょう。2010年から日本も国際ルールに従って、SBO方式からBSO方式に変更になりました。これは、グランドの電光掲示板などの変更もあり大掛かりなものでした。

当時、私も少年野球の審判をやり始めた頃で、自分が持っているカウンターはSBO方式を使っていました。審判なので、途中でカウントを知らせないといけないのですが、ボール先行のBSO方式の呼び方は慣れるのに少し時間が掛かったのを覚えています。

肉弾戦の禁止

次に記憶に残る変更は、2015年のコリジョンルールの適用があげられます。これは、塁上特にホームベース上での接触プレイになる際に、ラフなプレイを禁止するものです。その為、ベースの1辺を開けるおよび走者の進路を妨げてはいけない。ケガ防止を目的にしたルールですね。

”巨人の星” の昭和世代の人間としては、伴忠太がホームでのアウトのタイミングを、捕手をぶちかましで飛ばしてセーフにするシーンがあります。このシーンは結構インパクトがあって、爽快感と共にキャッチャーは体力を付けないといけないなと感じたものです。懐かしいですね。

このルールにより、野球の肉弾戦がなくなり、観る方としては楽しみが一つ減った感じが否めません。しかしながら、選手側としては、プロなどで再起不能などの死活問題が絡んでくるケースもあるので、良かったのかなと思います。

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球数制限の導入

最近のインパクトのあるルール変更では、少年軟式野球にも、2020年より1試合でピッチャーが投げられる球数が決められました。球数は、70球です。以前は取り決め事態ありませんでした。よって大会などのスケジュールが過密になってくると、1日で2試合などはザラにありました。

試合は7回までなので、10球/回で完投できる計算になります。打者1人に対して4球以下です。4球を出せば完投は難しいですね。よって各チームはピッチャーを2~3人は用意しないと、試合ができなくなります。

以前のようにスーパースターが1人で投げ切って勝つ、ということができなくなります。弱小チームが1人のスーパースターで勝ち進んでいく、というアメリカンドリームはなくなっていきます。

人気のあった”メジャー”という漫画で主人公が学校の方針(ピッチャーの分業制:1人の負荷を減らす)に逆らって学校をやめる。そして、別の高校に行って元いた強豪校と戦うというストーリーは読者に熱いものを抱かせました。

日本人は特に熱い根性論が好きで、熱い選手に対しては応援するものです。しかしながら、その根性のお陰で選手生命を絶たれた人は多いですね。今でこそ、トミージョン手術が有名になり、ピッチャーが肘、肩を痛めるのは常識的な行ないになりましたが、少し前までは、根性論が幅を利かせていました。

子供たちの将来を考えれば、球数制限は必要なことだと理解できます。

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子供の未来を考える

球数制限は、チームの運営も考え直さないといけません。ピッチャーを2~3人用意することは、人数の少ない弱小チームには極めて難しいことです。

目の前の勝利よりも、子供たちの将来を考える。気持ちの切り替えが必要ですね。

ロッテの佐々木朗希投手は、高校3年の夏の甲子園県大会予選での決勝を出場しませんでした。監督の決断で『故障の回避』が主な理由です。この出来事は、社会問題化し今でも議論の的です。

昭和世代の昔の評論家や同業の高校野球監督は『決勝不出場』は容認できない派ですね。かたや現役のMLBのピッチャーやピッチャー経験のOBからは、『決勝不出場』に勇気ある決断と賛辞の声を上げています。

ピッチャーの肩、肘をどう捉えるかで方針が変わっていくと思います。甲子園で活躍したピッチャーが、プロ野球で同様に活躍する選手は稀ですね。得てして甲子園で活躍できなかった選手が目立つ傾向にあります。プロの難しさもありますが、肩、肘を壊す選手が多いのではないでしょうか。

ピッチャーの肩、肘は消耗品と言われています。使いすぎると寿命が縮まります。治そうとすると手術をしてもらう選択があります。MLBで活躍している大谷翔平さん、ダルビッシュ有さんも手術をしています。この2人は、決して無謀なことはせずに、どちらかと言えば自分のコンディションを気遣ってやっていました。にも拘らずです…

スポーツ医学が進んでいるアメリカでは、多くのデータが蓄積されています。それらも加味しつつ、少年野球というものに取り組まなければならない時代になってきました。

まとめ

少年野球だけに関わらずルールというものは時代と共に変わってきます。中には、明らかに肩入れしたルールと感じるものもありますが、選手生命に関わるようなルール改定は、積極的に取り入れなければなりませんね。

団体スポーツの勝負におけるチームと個人の関係。勢いだけではなくチーム内で納得のいく監督の方針、及び話し合いをする必要が出てきていますね。非常に良い動きです。