私は、以前2年3か月の間、片道2時間強かけた長距離通勤をしていました。区間は、JR東海道線の高槻駅から南海電車の樽井駅まで。ちょうど大阪の東の端から西の端までの距離にあたります。途中2回の乗り換えで、電車だけで1時間半乗っていました。
朝起きるのは4時半、家を出るのが6時前。出社するのが、8時15分。勤務して退社するのが17時半で、帰宅するのが20時過ぎになります。通勤だけで往復5時間かかっていました。
最初は毎日が全く違う土地に向かう小旅行みたいで、うきうき気分も少しはありました。
この記事は、これから長距離通勤に臨まれる方、興味のある方に楽しいことや若干の苦しいことを知ってもらい、心の準備含め、参考にして頂ければ嬉しく思います。
ポチッとお願いします
なぜ、長距離通勤をするのか
私の場合は、希望する転職先の会社が遠くにあったからです。単身赴任も検討したのですが、家庭の事情もあり又通勤手当も全額支給の許容範囲内であったので長距離通勤に決めました。
私と同じ地域からの人が社員にいました。その人は早い時間からの対応が必要な仕事の為、単身赴任で勤務されていました。
逆に、新築などで住まいを引っ越されるときに、家庭の事情、住宅の値段、住まいの環境より、会社から遠方に移られる場合もあると思います。
長距離通勤でのかかる時間は?
Web(インターネット)での 「日本の人事部」の見解としては、“長距離通勤に対しての明確な定義はなく労働に差しさわりのない範囲では、認める”となっています。 通勤可能範囲の定義について - 『日本の人事部』 (jinjibu.jp)
通勤手当の範囲、通勤時間(公共交通機関)
企業により差はありますが、おおよそ、下記になります。
○通勤手当の範囲・・・上限2~5万円/月
公共交通機関での通勤時間は、都市部では下記になります。
○都市部の平均通勤時間・・・1時間~1時間半
車での通勤の場合
静岡県の教育委員会が、マイカー通勤をする教師の通勤距離別交通事故発生率を調査したところ(平成23-24年度)、通勤距離が50キロを上回ると事故率が4倍近くに跳ね上がるという結果が出ています。
よって、車での通勤範囲の目安は、下記になります。
○車での通勤時間・・・2時間
○車での通勤距離・・・50㎞以内(一般道の場合)
*上記、公共交通機関および、車での通勤、企業からの通勤手当の観点より、まとめると下記になります。
長距離通勤の目安
長距離通勤の時間(片道) ⇒ 2時間 が1つの目安
通勤時の時間の使い方
2時間をどう使うか、バカにできない問題であります。その時の体のコンディションにもよりますが、毎日のことなので無理のない時間の過ごし方に自然となっていくと思います。
「通勤電車内の過ごし方で“収入満足度”に差が出る?ビジネスパーソンの通勤電車事情の調査」(web情報はこちら)を簡単にまとめましょう。
上記の調査結果では、通勤電車内での時間を”有効に使えている”かの質問に対しての回答は、
- とても有効に使えていると思う ・・・ 8.5%
- どちらかというと有効に使えていると思う・・・25.9%
合計・・・34.4%
一定率のビジネスパーソンが、通勤電車内での時間を有効に使えていることがわかります。
通勤電車内での時間の有効活用満足度の年代別は、下記の表の通りです。
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
有効活用満足度 | 44.0% | 36.5% | 30.0% | 29.0% | 32.5% |
逆に”有効に使えていない”との回答は、
- 全く有効に使えてないと思う ・・・ 8.9%
- どちらかというと有効に使えていないと思う・・・ 20.5%
合計・・・29.4%
3割弱のビジネスパーソンは通勤電車内の時間を有効に使えていないという結果になりました。
給料などの収入に対しての満足度と通勤電車内での時間の有効利用の関係性:
○ とても有効に使えていると思う・・・8.5%
その内の6割以上が収入に対しても満足していると回答。おおよそ全体の5%。
※傾向的には、20代の若手にその傾向は強く、更に最近のネット技術の進歩で、その格差は広がっていくように思われる。
通勤時間の使い方 | 割合 |
有効に使えていると思っている | 3割強 |
有効に使えていないと思っている | 3割弱 |
長距離通勤のメリット、デメリット
通勤電車内での時間を有効に使えていると回答した人を対象に、有効に使えていると思う理由を調査しました。(参照:上記調査結果)
- 日々のニュースなど様々な情報を取得できる ・・・54.1%
- 読書や音楽など自分の趣味に時間が使える ・・・40.4%
- ビジネスなど仕事に関連した情報を取得できる・・・34.9%
情報収集や趣味の時間など、通勤時間を有効活用して過ごしている人が多くいます。これが長距離通勤のメリットの1つです。
メリット
- 情報収集や趣味の時間の確保
- 乗り合わせる人がほぼ一緒なので、仲良くなる可能性あり
10年前では難しかった上記のような行動の背景には、スマートフォンなどIT機器の進化があると思われます。
実際、Youtubeはいろいろなジャンルがあります。自分の趣味・ニュース・情報収集などの自己研鑽に向いています。私もほとんどの時間を、Youtube視聴に使っていました。
メリットの2つ目は、違う視点からで毎朝ほぼ同じ時間帯に電車に乗るので、乗り合わせる人もほぼ同じになります。その中で素敵な方がいれば、それだけでその時間はバラ色に代わるということもありますね。「阪急電車」という映画を彷彿させます。
何歳になっても、ほっこりする楽しいひと時であるかも…
デメリット
- 睡眠時間が削られていく
- 体調の悪い時の途中下車してトイレを捜す切迫感と、遅刻の時間が迫る恐怖との闘い
- 電車の遅延
デメリットとしては、通勤というよりも、朝早く起きる必要があるので、睡眠時間が削られていくことにありました。
私も、平均5時間弱の睡眠時間でした。生活リズムは、私個人の問題と思っていましたが、実は家族全体に影響を与えていたということが、後にわかりました。特に妻には多大な迷惑をかけていたと思います。日曜日の晩は、夫婦ともピリピリモードでした。
また体調の悪い時、特におなかがゆるい時には、長時間の電車は恐怖です。途中下車してトイレを捜す切迫感、遅刻の時間が迫る恐怖との闘いも気持ちの中に芽生えていきます。
電車の遅延も困りものです。経路が長ければその分影響も大きく、回数も多くなります。特に帰りの時間帯に遭遇すると、疲れが倍に膨れます。
まとめ
長距離通勤は、もともと、目的があり、それを達成するための手段であると思います。
私の場合は、給与と興味のある業種から遠方の会社を選びました。
その手段の長距離通勤も使い方で、人生が苦痛だけになるか、有意義なものになるか、は本人が決められると思います。ネット技術は、ますます進化していきます。有意義なものになっていく可能性が増してきますね。
また、昨今では、コロナ禍の影響でリモートワークが一般的になりました。上手く働き方をチョイスすれば、少し遠方でも住みたいところに住んでリモートワークで仕事をすることも考えられます。
長距離通勤とリモートワークを融合させ、人生を謳歌するのも1つの方法ですね。