大谷さん、羽生さんなどのトップアスリートの子供時代に両親はどのような接し方をしていたのでしょうか?
どうも、共通した親御さん達の姿勢があったみたいです。子育ては、親が良いと思ったことが、子供には違う解釈をされる場合があるので要注意です。
そうなんです。できれば子供たちが伸び伸びと自立できるようにしてやりたいものです。
我が子の前で絶対にやらなかったこと
子育ては難しいものです。一昔前は、親が立派に生きていれば『親の背中を見て育つ』と言われても来ました。下手すれば、放任過ぎても宜しくない、などとも言われます。
では、今を時めくMLBの大谷翔平さん、女子ゴルフの渋野日向子さん、フィギュアスケートの羽生結弦さんの大舞台で本領を発揮できるメンタリティは、いかにして育まれたのでしょうか。“超一流選手” の親を取材し、書籍『天才を作る親たちのルール』を著したスポーツライターの吉井妙子さんは、『両親たちの姿勢には共通点がある』と語っています。
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- 頭ごなしに怒らないこと
- 子供の考えを否定しない
〇 上記2つを『しない』ことが、子供たちの個性を大きく育てている
✕『なぜできないのか』『お前はダメだ』と言われた瞬間、子供は強烈なコンプレックスを植え付けられてしまう
親も進化しなければならないようです。
教育心理学者:河合隼雄の言葉
(昔の親は)何をしてやろうかと考えた。
いまの親の愛情は『何をしないか』を考えなければならない
良い学校に合格するために塾に通わせる、など、子育ては「足し算」の発想になりがちです。
しかし、『超一流』を育てた両親たちの振る舞いをつぶさに見ていくと、「何をするか」ではなく『何をしないか』に深く注意を払っていることがわかりますと吉井さんは言っています。
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大谷家の場合
大谷選手の父・徹さんのモットー
● やりたいことを楽しくやらせる
☞ 息子には「野球の練習をしろ」と注意することは一切なかった
楽しく野球をやらせる、という事は、朝から晩まで父とバッティングセンターにこもっていたイチローのような、一昔前のプロ野球選手を育てるやり方とは、一線を画する意識のようです。
大谷選手の目標
- 160kmを投げる
- メジャーに行く
*幼い頃から大それた目標を、臆することなく口にしてきた
上記目標を口にできるのは、『子供が思ったことを大人の顔色を窺わずに言えるように』と願う両親の深慮があるのです。
大谷選手のご両親の誓い
それは、『子供の前で絶対に夫婦喧嘩をしないこと』でした。
大谷選手のご両親の思い
「親が喧嘩をすれば、居心地が悪くなり、顔色を窺うようになる。ご両親は家庭の雰囲気をいつも朗らかにして、子供たちが話したいことをなんでも話せる空気を作っていた。おかげで、大谷選手は反抗期もなく、中学2年生までお父さんとお風呂に入っていたそうです」と吉井さんは言っています
練習の無理強いはせず、家庭は明るい雰囲気を保つ。これは、女子ゴルフの渋野さんの家も同じだったようです。
登録者数業界No.1 クラウドリンクス渋野家の場合
渋野さんの父・悟さんの方針
●「『練習行くか?』と聞いて、本人が気乗りしていない様子のときは、『じゃ、今日はやめとくか』と何もさせなかった。ケツを叩いて『練習に行け!』みたいに言ったことは、一度もありません」
☞ 悟さんはコーチの指導に一切介入しなかった
●「指導者に習ったことと別のことを家で教えたら、子供はかならず混乱して、上達が遅くなってしまう。だから、子供が習ってきたことには一切口出しはしません」
大谷家、渋野家共に親が目立った活動、指導はしていないように思います。縁の下の力持ちに徹しているようで、頭が下がります。
藤井聡太家の場合
将棋の世界のスーパースターの場合も共通点があるのでしょうか。
好きなことを妨げない
親は親、子供は子供という意識のもとで、子供たちの「やりたい」という意欲を重んじ、余計な口出しはしない。この原則を、さらに突き詰めたのが、史上初の10代四冠を達成した、将棋の藤井聡太(20歳)さんの家庭です。
藤井聡太さんのご両親の思い
●親は親、子供は子供という意識のもとで、子供たちの「やりたい」という意欲を重んじ、余計な口出しはしない。
●息子がなにかに集中しているときは絶対に止めないように心がけていた。「ご飯の時間だよ」「お風呂に入りなさい」などとは言わずに、両親は本人のなかで区切りがつくまで声をかけなかった。
●藤井さんは、他科目はそっちのけで山や川の名前ばかり熱心に覚えていたそうです。でも、ご両親は『もっと英語を勉強しなさい』とか『数学をやりなさい』ということは言わなかった。
●床にひっくり返るほどの泣き虫だった藤井さんを、お母さんは気が済むまで泣かせたそうです。そのうち冷静になり、自分の頭で考え始める。
藤井さんの父・正史さんと母・裕子さんは、息子がなにかに集中しているときは絶対に止めないように心がけていました。
藤井さんが将棋と出会ったのは、5歳のときです。祖母が駒に動かし方が書いてある「スタディ将棋」を買ってきたところ、寝食を惜しんで熱中したそうです。中学校に上がると、藤井さんが熱中したのは英語や数学などの「主要教科」ではなく、地理でした。でも、ご両親は『もっと英語や数学を勉強しなさい』ということは言わなかった。(藤井家を取材した将棋ライター)
このような『好きなことを妨げない』姿勢は、藤井さんの将棋に対する人並み外れた探究心と集中力を養うことにつながったようです。放任ではなく、手助けをしない見守りの重要性です。親の愛情は『何をしないか』を考えなければならない事例の典型ですね。
子育てのスキマ時間に本を聴いて楽しむ - audiobook.jp羽生家の場合
教育評論家の尾木直樹さんが「とても素敵な親御さん」と言われるのは、フィギュアスケートの羽生結弦さんの父・秀利さんです。
「以前、一度だけお会いする機会があったのですが、優しく謙虚で、教育が専門の私に対しても、『息子をこうやって育てた』といった話は何もおっしゃらなかった。お母さんも同様で、メディアに出られたことがない。頑張っているのはあくまで『ゆづ』(羽生の愛称)であり、自分たちは表舞台に出ないという意識がおありなのでしょう」と羽生選手のご両親は、取材を一切受けていません。
羽生さんのご両親の方針
●「ご両親は、息子を他の子供と比べないよう育てたのではないか」
●「羽生選手は誰かに勝つとか、倒すという言葉は口にしません。彼にあるのは、『4回転アクセルを完璧に成功させる』というような自分との闘いだけ。他人を意識せず、自分自身の心技体の向上に集中することができた家庭環境のおかげではないでしょうか」 と尾木さんは推測しています
超一流選手の親たちの共通性
誰よりも信じる
プロテニス選手の杉山愛の母で、多くの両親への聞き取り調査も行ってきた次世代SMILE協会代表理事の杉山芙沙子さんが言っています。
杉山芙沙子さんの言葉
大人だって、同僚や知り合いと比較され、『誰それより劣っている』と言われたら、とても嫌な気持ちになります。それなのに子供のことはつい比べてしまう。
『あの家の子はスポーツもできて成績も良くてうらやましい』などと言われたら、子供の自尊心は深く傷つきます。親は、自分の子の可能性を誰よりも信じる『最後の砦』でなければならない。これは多くの『超一流』の親たちに共通しています
書くのは簡単ですが、実際には難しいですね。だから、超一流は少ないのでしょう。
ライター:吉井さんの言葉
私が取材したご両親は皆一様に『子育てが楽しかった』と語っていました。結局、自分の理想を押し付けないで、成長の過程を一緒に楽しめる親御さんこそ、子供の才能を開花させる可能性を秘めているのだと思います
超一流を育てた親があえてやらなかったこと、今までの常識とはチョット違うことを学ぶことは貴重な事ですね。
まとめ
昔のアニメ『巨人の星』の主人公の父親:星一徹は、長い間スポ根に登場する厳しい頑固おやじの典型でした。ある意味、父親の1モデルを作り上げたと言っても過言ではありません。私もこのアニメが好きで、大なり小なり感化されていました。
しかしながら、今回、現代の超一流の子供を育てた親たちからは全く違う印象を受けています。スポーツ医学、心理学、脳科学等を学んだ方たちも居られるかもしれません。このような実績を素直に学んで、今後の教育に生かせたらと思います。
第2、第3の大谷翔平選手の誕生を楽しみにしていきたいですね。