スローライフを楽しもう

パフォーマンス向上のためのメンタルトレーニング! メンタルは訓練すればもっと強くなる

ヒロポン

五輪などの大舞台で思うように力が発揮できない日本人選手がいますね

前評判が高いと普段通りの力が出ないのかな

メンタルトレーニングを行っていないからかもしれないね

日本はアメリカなどに比べて30年は遅れているから

ケイ先生
ヒロポン

今からでも身に付けられるのかな

先駆者の高妻容一先生(こうづま・よういち)(東海大学体育学部 教授 スポーツメンタルトレーニング上級指導士)のお話を聞いてみましょう。学んでいけば必ず身に付けられると思いますよ

ケイ先生
ヒロポン

改善できる方法があることは嬉しいですね

メンタル面が弱いのはトレーニングをしらないから

メンタルトレーニングの始まりと歴史

発祥旧ソ連でメンタルトレーニングが始まる
目的宇宙飛行士の訓練
未知の世界の宇宙への不安や死への恐怖を克服するため
スポーツ分野への活用旧ソ連や東欧諸国
アメリカとカナダ・・・ロサンゼルス五輪(1984年)に活用
その後の展開五輪の結果がメダルの数であらわれる
メダルリストたちがメンタルトレーニングの効用を主張、注目が集まる
日本に輸入1985年  日本体育協会のスポーツ医科学研究において様々な研究が実施 
高妻さんは研究と並行して現場での実践を重視し、日本におけるメンタルトレーニング
のメソッドを構築
それまでの日本日本は技術・体力面の強化のみ、メンタル面に関しては何もしていなかった

高妻さんは、80年代のアメリカ留学中にメンタルトレーニングと出会い、衝撃を受けました。ロサンゼルス五輪では日本は、期待したほどの成績を残すことができませんでした。

マスコミから、「日本人はメンタル面が弱い」と酷評。日本人はメンタル面が弱いのではなく、メンタル面に関しての取り組みを何もしていなかった。一方、アメリカなど海外の選手やチームは、すでにメンタル面の強化をしていた。

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日本のメンタルトレーニングの現状と課題

メンタルトレーニングという言葉は広まっているし、その効用やアドバンテージも知識としては知られている。しかし、プロ野球界で、専属のメンタルトレーニングのコーチを置く球団はまだ存在しない。

スポーツ指導者の素性技術の専門家:現役時代にメンタルトレーニングをした経験はない
  自分が経験していないものを取り入れるのは非常に勇気がいる
選手の現状『スポーツ心理テスト』の結果 
〈心・技・体の中で試合で重要なのは何ですか?〉⇒心・技・体の順番と回答
〈では毎日の練習はどうしていますか?〉   ⇒技・体・心の順番
心に関しては、指導者が「気合いを入れろ!」と叫んでいるだけ
結果が出ない場合指導者:「どうしていつもできることが、試合でできないんだ」と説教
    選手の責任にしてきたが、どうして実力を出せないのかがわからない
問題点メンタル面強化の重要性を理解していない場合:実力を出せないだけでなく
優秀な選手の芽を摘むことにもなりかねない

外発的なモチベーションと内発的なモチベーション

<日本の競技スポーツをする選手の姿勢>

怒られるからやる、ご褒美がもらえるからやる
⇒ "やらされている" ので、やがて行き詰まってつぶれてしまう
 外発的なモチベーション 
心の底からスポーツが好き、上手くなりたい、試合で勝ちたい、
チャレンジすることが楽しい
⇒ "自主的にやる" ので、トップレベルまで駆け上がる
 *MLBの大谷翔平選手はまさしく ここの人ですね。
 内発的なモチベーション 

メンタルトレーニングは、選手の目的意識を明確にして、やる気を引き出します。技術・体力面のトレーニングとの相乗効果も大きいのです。如何にして、内発的モチベーションを身に付けるかが最大の課題です。

ゴッドハンド整体師の作った『整体枕』

メンタルトレーニングはレベルには関係ない

お決まりのルーティーンもメンタルトレーニングの成果

メンタルトレーニングを導入したチーム、選手はどう変わるのか。高妻さんが指導やアドバイスに関わったケースの一部を紹介します。

  • 県選抜の中学生チームが素晴らしい強化をして、男女ともに日本一に
  • 全国大会に出たことのなかった大学のチームは、メンタルトレーニングを取り入れて丸1年でインカレ準優勝
  • メンタル面強化を長く続けているチームは、おしなべて全国大会の常連
  • 2016年初場所で優勝した琴奨菊関も高妻さんの指導を受けたひとり  取り組み前に、両腕を開いて体全体を大きく反らす、あの "琴バウアー" をルーティーンとして完成すべく助言

もちろんこれらの成果は、選手、指導者の理解と努力があっての賜物とのこと。

下位レベルのチームの現状強くなる要素がない
弱いチームはメンタル面も弱い・集中力がない
・ネガティブで、監督やコーチの悪口を言ったり、サボったりする   
この状況を根本から変える方法 メンタルトレーニングがとても効果的

近年、中学生にも関わるようになって、こんなに変わるのかというくらい、大きく "化ける" のを見てきました。どんなレベル、どんな年齢層においても、メンタルトレーニングに取り組む価値があります。

ココナラエージェント

メンタルを強くするには日々のトレーニングが必要

多くの指導者は、自分が教えられる技術・体力面のトレーニングには時間はしっかりとる。けれど、メンタル面の強化はそもそもトレーニングだと思っていないので、時間をとる必要を感じていない。

技術・体力面の
トレーニング
50kgしかバーベルを上げられない選手が100kg上げようとする場合(いきなりは無理)
・毎日、筋力トレーニングをして、体の使い方を覚えていく 
・そのトレーニングの積み重ね
⇒ 結果として 半年後、1年後に100kgが上げられるようになる
メンタルトレーニング知識として知っていることと "できる" は違う
メンタルトレーニング・・・知って、活用して、試行錯誤して、身につけていく
⇒ 考え方や行動のトレーニング 習慣化・自動化するためには時間が絶対に必要

メンタルトレーニングに必要な時間

例えば、国体選手のメンタル強化に取り組む場合、高妻さんは年間に10~30回、現地を訪れる。1回につき1日8時間、あるいは2日で16時間のメンタル面強化の講習とトレーニングを実施。日々のトレーニングの中にも、心理的スキルをトレーニングする時間を設けてもらう。

そのため、指導者の意識改革にも取り組む。

講習の形指導者もプログラムを一緒に受講
選手に心理テストを実施結果に課題がある場合
・このチームは完全にやらされている感じ
・選手はいつも監督の顔色ばかり見ている
⇒ “これでは今の壁は乗り越えられません” と指導者に伝える
指導者に気付かせるメンタルトレーニングを始めた選手たちが、自主的に考え行動するように変わって
いく姿を見てもらい、気付いてもらう

指導者に、メンタル面を強化するには、理論やプロセス、手法があることに気付いてもらい、試してもらうことが大切。


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プラス思考を身につける習慣とは

8つの基本的な心理的スキル

メンタルトレーニングで具体的に何をするのか。高妻さんは以下の8つの基本的な心理的スキルを上げています。これらをプログラム化して、より効果的にトレーニングすることがメンタルトレーニングです。

  1. やる気を高める目的で行う目標設定(プラン作成や練習日誌なども含む)
  2. プレッシャーのかかる場面でセルフコントロールするためのリラクセーションや試合での気持ちののりや闘志を高めるためのサイキングアップ
  3. いかにして自分の最高のプレーをするかのイメージトレーニングや、新しい技やフォーメーションを上手く身につけるためのイメージトレーニング
  4. 試合で爆発するような集中力を高めたり、集中していい練習をするための集中力のトレーニング
  5. 好きなスポーツをいかにして楽しむか(苦しい練習をいかにして楽しくするか)のプラス思考。コーチは選手に上手くなってほしいからアドバイスをしてくれていると考えて人間関係をよくする、練習に前向きの気持ちをつくるプラス思考のトレーニング
  6. 自分の気持ちを高めたり、ミスした後に気持ちを切り替えたりするためのセルフトーク(自己会話・言葉遣い・声の出し方など)のトレーニング
  7. コミュニケーションのトレーニング:チームワークや人間関係向上
  8. 試合で勝つための徹底した準備としての試合に対する心理的準備

これらの心理的スキルは、オリンピックのメダリストたちが共通して実施していることを研究した結果です。

呼吸のコントロールで体と心をコントロール

心理的スキルのトレーニングを実施する場合、肝心なのは "呼吸" です。

高妻さんの思い『呼吸こそがメンタルトレーニングの命』
リラクセーション筋弛緩法も使い、呼吸と体の動きを一致させる
体をコントロールしていく ⇒ 心をコントロールする
まずは筋肉から落ち着けさせ、体全体を落ち着かせる。そして、心まで落ち着けさせて、
集中させる
ミスの理由人間は、頭の中に邪念、不安、雑念が入ると、そのことに気をとられて呼吸が浅く速くなる
⇒ 筋肉の動きが微妙にずれて、いつもと違う動きになるからミスをしてしまう
ルーティーン琴奨菊関、五郎丸歩選手、イチロー選手らが行うルーティーン
平常心を保ち、集中力を高めるためのものだが、カギは呼吸を安定させることにある


<今すぐできること>

一番のお勧め
すぐにできて、でも一番難しい
普段から物事をプラスに考える思考を身につけるための習慣
人には笑顔で接するありがとうと感謝の言葉を素直に言う
自信のあるポーズをとる上を向いて、胸を張る。肩も足も大きく開いて立つ
歩くときも大股で 不思議なことに本当に自信がみなぎってくる
口にする言葉独り言も会話もすべてポジティブにする 
あいさつは、強く、大きな声で、語尾を上げる

以上で呼吸をコントロールできます。

まとめ

今までスポーツに関わってきて、常にメンタルで悩まされていました。自分自身に対してと子供たちへの向き方で…。確かに昔から厳しい指導の下でしか、精神は鍛えられないと言われてきて、怒鳴りつける指導法もありました。耐える力だけはつきそうですが。

しかし、抜本的な選手自らの内発的なモチベーションは生まれてこないでしょう。メンタルは通常のトレーニング同様、正しく理解してトレーニングすれば強くなる可能性があるのでトライする価値はありそうですね。