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なぜ岩手からは話題のスーパースターが出て来るのか? 素晴らしいです

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菊池雄星投手を筆頭に、大谷翔平選手、佐々木朗希投手とスーパースターを続々と岩手県から出ていますね。何か秘密があるのでしょうか

確かに興味深いですね。単なる偶然という話もありますが、他県とは違う取り組みをしているかもしれないですね。調べてみましょう

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何か秘密があれば、少年野球の人気回復に役立つかも知れないですね

突然の出現が切っ掛け

「どうして突然、岩手から?」そんな疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。自分もその1人です。食べ物なのか、何か法則があるのか、はたまた突然変異なのか。何が起こっているのでしょう。その分析をネットの記事を参考に紹介します。

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スーパースターが出現する理由

  1. 菊池雄星投手の出現で指導者の意識が変わった
  2. プロ選手を多数輩出している ”Kボール
  3. リトルでも“勝利至上主義を排除”した指導

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由1 菊池雄星投手の出現で指導者の意識が変わった

岩手の指導者や野球に精通している方々に尋ねると、皆さん口を揃えて教えてくれることは、あるスーパースターの出現で『指導者のレベル、意識が変わった』ということです。

それは、2009年の選抜大会で、花巻東高校は菊池雄星という超高校級の投手を擁して気心のしれたメンバーで、快進撃をみせて大優勝旗を岩手に持ち帰る雰囲気がありました。結果的には、花巻東は清峰(長崎)に0対1で負けて準優勝に終わります。しかしながら、この準優勝が岩手の高校野球に劇的な変化をもたらしました。

甲子園の決勝は、特別な舞台。超スペシャルな場所と思われています。そこに、岩手の高校がいる。岩手県民にとって、どれほどの衝撃だったか、まさに劇的な変化でした。そして、雄星投手の存在自体が「革命」だったとも言えます。

そのお陰で『岩手でもやれるんだ』という自信が多くの人に植え付けられ、野球指導者、関係者、選手の意識が変わっていくのです。それまでは1回戦突破が目標だったのが、日本一を本気で目指すようになっていくのです。

人気漫画「ドラゴン桜」の作者:三田紀房先生も岩手出身で、彼の言葉として、「日本一を本気で目指すことは、すごく大切なことです。たとえば、大学受験でもそうです。志望校を決める際、“今この実力だから、この大学に行く” という発想ではなく、どの大学に行きたいのかという思考が重要なんです。努力の延長で目的を達成すると思っている人が多いかもしれませんが、本来は目的から逆算した発想にならないといけない。大谷選手は、そういう思考と行動の大切さを私たちに見せてくれていると思います」

また、高校野球を支える中学では、ボーイズリーグやシニアリーグの大会で全国のレベルを肌で感じる環境が増えたことも、岩手の子どもたちの才能をどんどんと伸ばしている要因になっているようです。そしてリトルシニアの存在も大きいです。菊池雄星投手がプレーしていた2006年ごろまで、岩手にはリトルシニアは4チームしかなかったのですが、その後、少しずつチームが増え、現在は10チームまでに増えていっています。

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理由2 プロ選手を多数輩出している ”Kボール”

環境面でみると、やはりKボールへ繋がる中学軟式が上げられます。Kボールとは中学で軟式野球をプレーしていた子供たちが、高校でスムーズに硬式野球に移行できるようにと2000年に開発されたボールのことです。岩手は全国でもKボールが盛んな地域で、2001年にリーグが創設され、20年の節目を迎えました。Kボール連盟関係者はこう話します。

「リーグ創設前は中学3年生が夏で引退して、それから高校野球にスムーズに移行できませんでした。それを打開するために作ったリーグなんです」

Kボールの目的

☆ 中学で軟式野球をプレーしていた子供たちが、高校でスムーズに硬式野球に移行できるようにする

  • 素材:軟式ボール
  • 大きさ、重さ:硬式ボール
  • バット:硬式用バット

実施時期:中学3年生は夏の中学総体を終えた時から対応可能

岩手県のKボール連盟のホームページでは「中学生に多くの野球経験の機会を、より高いステージでの活躍を」とあります。ロッテの佐々木朗希投手もKボールの出身で、オール気仙では夏に参加した岩手大会で優勝、東北大会で準優勝し、東日本大会では当時の自己最速となる141kmを計測しています。

軟式野球をプレーしている中学3年生は6月頃に県中学総体が終わると引退で、高校入学までかなりの期間ブランクができる。そのため入学後は硬式になれるのに精一杯という選手も多かった。しかし昨今の高校野球のベンチ入りメンバーの出身チームを見ると、リトルシニアに混ざって軟式野球経験者が多い。このことからも、Kボールの恩恵がとても大きいことが分かります。

理由3 リトルでも“勝利至上主義を排除”した指導

大谷翔平選手が幼い頃に所属していた水沢リトルの練習と試合を見学した人の感想としては、「大らかな指導者のもとで子供たちが楽しそうに伸び伸びとプレーしているのが印象的だった」とのこと。

水沢リトルの指導のポイント

1.技術的な指導方法:

キャッチボールの時、低学年の選手は球が散る。そこでコーチは、相手の胸元にボールを投げられる方法を、低学年の子供たちでも理解できるように丁寧に指導する。

☞ コーチの声がけの後、投げ方も受け方も格段に上手くなっていた。

2.試合でのバッティング:

試合ではバントをさせず、思い切って振るように指示を出す

☞ 打つのが楽しい時期だから、バントはさせない

3.守備:

エラーになっても捕球できず体に当てただけでも、硬球を怖がらずチャレンジする姿勢を評価し褒める

☞ チャレンジする姿勢を評価し、積極的なプレーを褒める

4.指導者や保護者の印象:

指導者や保護者は勝ちにはさほど拘っていないように見えた

☞ リトルで大事なことは、野球の基礎、プレーの面白さ、礼儀、チームワークであり、勝敗ではない

5.指導方針:

その年齢に必要な指導を提供する

☞ 幼い頃から子供たちを、勝利至上主義に投げ込まない

さよなら負けに悔し涙を流した選手がいた。悔しい気持ちを持つことの大切さを教え、しかし指導者や保護者は勝ちにはさほど拘っていないようです。

大谷翔平選手も「リトル時代は、楽しくて辛いと感じたことはありませんでした」と述べています。この気持ちを持っていれば、燃え尽き症候群にはなりませんね。

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リアルな指導現場

中学生の指導に携わっているあるコーチは、試行錯誤しながら教えているそうです。

知人に打撃を見てほしいと頼まれて、最初は自分のやり方で教えていたのですが、すぐに壁にぶち当たりました。中学生は骨格から違うので指導した動きができず、結果に結びつかないのです。

そこで、東北の強豪高校を訪ね、指導を仰ぎました。

指導のポイント

〇筋肉がまだついていない中学生への指導方法(詳細はこちら☞

  1. 『枝葉の部分』ではなく、『幹の部分』から教えないといけない
  2. 『ティーチング』ではなく、『コーチング』が必要

『枝葉の部分』・・・表面上の技:参考書に書かれているような投げ方や打ち方

『幹の部分』・・・体幹を軸に個々の体格、筋肉、動きに対応

 ☞ 中学生の体は発展途上なので、故障やケガをさせないように注意する

〇ピッチングに関しての指導

  1. 投げるための動作づくりに注力し、投げさせすぎないように気をつける
  2. ピッチングに必要な上半身、下半身の動きを身につけさせる

 ☞ 中学生はまだ投げるための筋肉がついていないので、段階を踏んだ練習を心掛ける

上記教えを基に、指導の考え方をまとめました。

指導の考え方

〇中学は根っこを育てる時期に徹する

気持ち的には、選手は試合で勝ちたいし、指導側も勝たせたい。

技術面を強化すれば勝てる可能性は上がる。 でも

☞ 勝てなくてもいいと割り切って、中学では土台作りに力をいれる

花巻東の佐々木監督の言葉として、「昔から、岩手にも才能のある選手がたくさんいたと思います。ただ、そういった選手が埋もれてしまっていた現実がありました。今は、高校だけではなく中学での野球も含めて、指導者が変わったことが要因ではないでしょうか。また指導者がインターネットなどで野球の指導についての情報を得ることができるようになり、その点の地域格差が埋まったことも影響しているように感じます」

目の前の勝負より、未来を見つめて今何をさせるかを指導者は考えているのですね。そういう環境下で、佐々木朗希選手の登板回避があったと思えば理解できますね。深いです。

岩手にとってメジャーはもう遠い存在ではない

学童およびシニアの子供たちを支えるすべての指導者、スタッフ、保護者を含めたサポートの方達の熱意と努力が選手の道を作り、それを受けた高校の指導者がうまく開花させる。駅伝で襷を繋ぐように、指導者たちが襷渡しをしていく。その一連の流れが、今の岩手の高校野球を支えている感じがします。

大谷選手、そして菊池投手の存在でプロ野球はもちろん、メジャーリーグもとても近い存在になりました。甲子園しか見ていなかった人たちが、メジャーリーグを視野に入れる。とんでもなく、素晴らしいことですね。

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まとめ

ここ20年ぐらいの期間で、岩手県が選手育成の1モデルを築き上げた可能性がありますね。とんでもない怪物を育て上げた功績は、日本のみならず海外へも充分波及しています。

もしかすると今後、この指導方針が一般的になるかも知れません。

指導者は常に、視野を広く柔軟に対応する必要がありそうですね。益々楽しくなりそうです。

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