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大谷翔平、佐々木朗希の力を、革命的理論「セイバーメトリクス」で分析する! 

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ヒロポン

最近大リーグ(MLB)を中心に聞きなれない数値が使われていますね

以前であれば、打率や防御率などで選手の力を計っていました。近年は、より個人の力が反映されるような数値の引用が考えられているようです。

ヒロおじ
ヒロポン

頭がこんがらかりそうなので、整理して教えてもらえませんか

統計学であぶり出す「真の力」

これまでの常識を覆す新理論が指し示すデータは、球界を代表する逸材である大谷翔平、佐々木朗希という二人の若武者の真価をどのように導き出すのか。最新の指標をもとに検証します。

野球界に革命を起こしたと言われている理論『セイバーメトリクス』をご存じでしょうか。今、統計学者・鳥越規央さんの『統計学が見つけた野球の真理 最先端のセイバーメトリクスが明らかにしたもの』(講談社)の理論に注目が集まっています。

楽天のチーム戦略室:川井貴志さん

かつては「防御率が悪い=ダメな投手」だという認識が一般的でした。ただ、失点の背景には守備が悪かった可能性もあります。一概に投手のせいだけとは言えないのです。本来なら守備陣の影響力を完全に除外した『投手の純粋な能力』を測らなくてはいけません。それを可能にしたのが『セイバーメトリクス』です。

セイバーメトリクスとは

セイバーメトリクス・・・野球を統計学的に解析して、選手の「真」の能力チームへの貢献度を数値指標で示す分析手法

例えば、「QS(QualityStart)」という指標があります。「先発投手が6回以上登板し、かつ自責点3以内に抑える」ことができたかどうかを示す数値です。

● QS率(%)=先発登板してQSを達成した回数 / 先発登板回数 ・・・先発投手の能力を表す 

歴代の名投手のQS率(鳥越さんの著書より)

  1. ダルビッシュ有  81.7%
  2. 松坂大輔     66.2%
  3. 金田正一     65.2%
  4. 江川卓      64.3%

この中でもっとも優秀な先発ピッチャーはダルビッシュという結論になります。この数値がすべてではありませんが、1つの指標としては使えますね。

いまや球界は、蓄積された数々のデータを、どのようにしてセイバーメトリクスで有効活用するかが最重要課題となっています。

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大谷翔平選手と佐々木朗希選手の場合

大谷翔平選手のバッティング

2021年度のホームラン数・・・46本(ア・リーグ3位)

『打球の速さ』・・・'21年の平均打球速度 150.6km(全体で6位)  大谷選手がメジャーに渡った'18年以降一番速い

『打球の角度』・・・水平方向から、16.6度  他の年と比べて大きくなっている

*2021年 平均打球速度で大谷選手を上回る数字を出した選手の中に、平均打球角度も超えた選手はいない。

大谷翔平選手のピッチング

〇2021年度の実績・・・23試合に登板、防御率3.18、156奪三振、9勝(チーム最多)2敗

条件平均球速    被打率  
走者なし153.3km0.195
走者あり+得点圏155.7km0.122
*ピンチのときこそ強い投手だと言えます

〇2022年度の春先(~4/28)4試合登板・・・

 30奪三振、空振り率:35.7%(リーグ4位)、球速:ストレート156.3km(メジャー3位)

「ストレートだけではなく、変化球の球速も上がっています。通常、球速と変化量は反比例するものですが、大谷選手のスライダーは変化量が変わらないまま平均球速が4kmも上がっています」(野球データに精通するブロガーの竹下弘道さん)

至極がもたらす、至福のひととき。blissful coffee(ブリスフルコーヒー)

佐々木朗希投手のピッチング

〇2022年度の実績・・・プロ野球史上16人目の完全試合を達成。偉業を達成する予兆は昨年(2021年)からあった。

時期(2021年)ストレートの平均球速    
シーズン前半戦151km
シーズン後半戦154km
CS155.1km
CS(走者あり)球速は上がっている

「昨年(2020年)からの成長が著しい。CSでの平均球速は155.1kmに到達していました。しかも、CSに限れば、『走者あり』のほうが球速は上がっている。試合にも慣れて、ピンチの際にギアが上げられるようになったのでしょう」(野球データを分析する『やきゅまるブログ』管理人のやきゅまる氏)

無駄球が少ない

完全試合の内容:日本最多タイとなる19奪三振、球数105球(27のアウトをすべて三球三振で仕留めたとしても81球)

無駄球が少なく、ストライクゾーンで勝負ができる。

セイバーメトリクスの手法活用

大谷選手の場合

2021年シーズン、大谷選手はア・リーグの最優秀選手に輝きました。その時に、重要視された指標は「WAR」でした。

大谷選手のWAR(8.1) 十分MVP級

●総合指標:WAR(Wins Above Replacement)・・・どれだけの勝利数に貢献したか、ということを表す指標

  算出方法:打撃・走塁・守備・投球の全ての要素を組み合わせて算出 ※計算式は超複雑で、素人には不可能

WARの指標評価
6.0以上MVP級
4.0以上侍ジャパン級
2,0以上スタメン・レギュラー級
1.0以下控え
0未満他選手で代替可能
「二刀流の大谷選手は、野手としてのWAR(5.1)と投手としてのWAR(3.0)が合計されています。シーズン安打でメジャー記録を打ち立てた'04年のイチローのWAR(7.1)を上回りました」(野球データに精通するブロガーの竹下さん)

大谷選手のwRC+152(MLB 5位)

●打撃指標:wRC+(Weighted Runs Created Plus)・・・パークファクター(球場)を加味して、得点に絡むプレー(=打撃評価)をもとに評価

wRC+(Weighted Runs Created Plus)の評価基準

評価      数値(%)    NPB代表的選手(2018年)
素晴らしい160柳田(ソフトバンク)、ビシエド(中日)、ソト(横浜)、丸(広島)、山川(西武)、鈴木(広島)、吉田(オリックス)
非常に良い140山田(ヤクルト)、筒香(横浜)、井上(ロッテ)、浅村(西武)、近藤(日ハム)、アルモンテ(中日)、坂本(巨人)、秋山(西武)、平田(中日)、岡本(巨人)
平均以上115
平均100全選手の平均を100と設定
平均以下80
悪い75
非常に悪い60
トップクラスの選手というのはチームの主砲やクリーンナップを打つ選手が高い数値になっています。
2018年リーグ優勝をした西武の選手は山川選手、浅村選手、秋山選手の数値がトップクラスに値します。

●投手指標:WAR(3.0)(メジャー43位:2021年) 投手としては、トップクラスではなかった

2022年の春先の状況(4月28日時点)の戦績は、2勝2敗なので取り上げるほどではない。しかしながら、セイバーメトリクスを通すと、本人も知らない「2022年の期待値」が見えてきます。

大谷選手の K−BB%:31.3%(リーグ 3位) 2021年は17位

・投手指標:K−BB%(Strikeout-walk rate differential)・・・どれだけ三振を取って四球を抑えたかの指標

「今年(2022年)は四球を抑えつつ、三振を多く取れています。K−BB%という指標も、上記の様に今年は31.3%でリーグ3位にまで浮上しているのです。投手としての能力だけでもリーグでトップレベルにいます」(竹下さん)

(参考)K−BB%は、日ハムで歴代1位を記録したダルビッシュの27.1%(2011年)を大きく上回っています。

大谷選手の SwStr%:32.8%(リーグ 4位)

・投手指標:SwStr%(Swinging Strike percentage)・・・全投球に対して空振りを奪った割合を示す指標)

大谷選手は「SwStr%でも32.8%とリーグ4位にランクインしている。球速が上がったことも大きな要因だが、「リリースポイントの変化」も好投の理由だと考えられています。

大谷選手が投球する際の球持ちが約10〜20cmも良くなっている

渡米後の'18年に比べると、大谷が投球する際のリリースポイントは身体に約10cm近く、約5cm高くなっている。また、球持ちが約10〜20cmも良くなり、直球と変化球の差がなくなっている。(下図参照)

「三塁側から見たとき、リリースポイントが本塁寄りになっているのは、打者にとって厄介。打者が球種を判別するためには、少しでも長くボールの軌道を見極めたい。だからこそバッターボックスの後ろに立つのです。それが20cmも長くボールを保持されると球種を判別しにくくなって打ちにくくなります」(元阪神のエース:藪恵壹さん)

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佐々木選手の場合

2022年のデータ数が、完全試合を含んだ5試合しか登板していないことも影響しているが、セイバーメトリクスが示す数字は規格外になっています。

佐々木選手の K%:48.4%(歴代1位である江夏豊は 31.9% 約1.5倍の差) 

・投手指標:K%(Strikeout rate)・・・対戦打席あたりの奪三振割合を示す

佐々木選手の SwStr%:22.6%(2021年は10.8%) <参考>大谷選手:32.8%

・投手指標:SwStr%(Swinging Strike percentage)・・・全投球に対して空振りを奪った割合を示す指標)

「打者は、昨年(2021年)よりも積極的に佐々木選手の球を打ちにいっているのに空振りをさせられています。他に20%を超えているのは、平良海馬(西武)とモイネロ(ソフトバンク)といった球界を代表するリリーバーです。そして、今年はほぼストレートとフォークの2種類しか投げていません。そのどちらも平均球速が上がっているため、打者は球種を絞って当てようとしても難しいのです」(楽天のチーム戦略室:川井貴志さん)

総括すると、下記が、セイバーメトリクスが示す今の二人の「真価」です。

●大谷選手の場合 ・・・打者を少ない球数で抑える「三振力」

●佐々木選手の場合・・・相手のバットを積極的に振らせる「空振り率」と「成長性」

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まとめ

多くの指標で、その人の実績を解析するのは面白いですね。球団側の目的は、選手の査定でどれだけチームの貢献しているかを数値で表し、納得性を高めるものかなと思います。個人的には、現在の自分の実力をあぶり出し今後の育成方法を検討するネタになると思います。

それと、過去のスーパースターがどんな実力であったかを知ることができて、比較が難しかった現役選手との比較ができるのは興味深いですね。それこそ根性論でやってきた人には、データ解析などは敬遠することだと思います。しかしながら、今後はますますこの傾向は強くなると思いますので、ぼちぼち勉強していってはどうでしょうか。

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