サイコパスは、嫌われ者が多いです。しかし出世する人も多いですね。
確かに、嫌われることが多いですがサイコパスの特徴の1つとして反社会性があります。この特性が、うまく働けば素晴らしい成果を生む可能性がありますので、出世もするのでしょう。
そうなんですね。嫌ってばかりもいられないので色々と教えて下さい。
サイコパスは、脳科学的に特徴がある
出世する人の中にも、サイコパスは存在します。サイコパスとは、普通に考えると付き合いたくありませんが、犯罪者だけでなく経営者や弁護士など社会的地位の高い人の中にも、その傾向が見て取れる人もいるようなのです。
「サイコパス」という新書を出版された脳科学者の中野信子さんがYouTubeで発信されていますので、参考にして考えていきましょう。
サイコパスというのは、脳科学的に特徴的なケースが観察されるという話があります。例えば犯罪があった時に、脳を調べたら「その人は典型的なサイコパスの脳の形質をしている」となった時、この犯罪の責任はどう考えたらいいんでしょう。
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シワの責任能力
上述のケースは弁護士の先生によって、色々と見解が分かれるところだと思いますが、シワの責任能力というものを知能と捉えてもいいと思います。
<機能を発揮する脳の担当箇所>
機能 | 脳の担当箇所 |
合理的に判断する力 =知能 | 背外側前頭前野 |
合理的に判断する力と考えると、脳で言えば背外側前頭前野というのが担当しています。知能を司る領域で、ここがしっかりしているのであれば、責任能力はあると判断しても良いと思います。サイコパスは他者に対する共感の力が低いので人を殺してみたかったけど、他者が苦しむところに関しては共感性がない。しかし頭では、こうすればどういうことになるのかはわかっている。知的には理解しているはずならば、そこには責任能力が発生するはずだということになります。
共感能力の低迷というのは、知能とは異なるものになります。企業のCEOが、「社員を1人リストラします」と言った時に、そこに責任能力がないとはみなされない。企業を生かすために、責任能力を果たしているということができます。
犯罪を犯す犯さないの問題に関して、こんなことをしたらそれなりの量刑を受けるものだ、社会的に制裁を受けるものだということを判断できる状態にあったと思います。それは、殺害される相手に対する共感の有無とは別の事です。
共感性を司る場所
サイコパスは、それが脳の形質上でも観察できるそうです。機能の差として観察できます。形質の差としては扁桃体というところと前帯状皮質というところが共感性を司る場所なんですけど、共感して使われる場所とその扁桃体のコネクションが弱い。それから前帯状皮質の機能が低いということがわかっています。
役割 | 脳の担当場所 |
恐怖感、不安、悲しみ、喜び、直観力、痛み、記憶、価値判断、情動の処理、交感神経に関与 | 扁桃体 |
血圧、心拍数、報酬予測、意思決定、共感、情動といった認知機能に関与 | 前帯状皮質 |
●他者への共感が高い人との付き合いは、心地良い
☞ 共感的に振る舞ってもらえる方が、ホッとするという感想を持つ人が多い
遺伝的に決まってしまう確率も高いけど・・・
共感性の薄い人、機能的に薄い人は、遺伝的に決まることもある。しかし、全く育たないわけでもない
- 共感性が育つ可能性の高い箇所でもある。生まれつき共感性が低い傾向を持っていても、環境によって変わることもある。
- 共感性そのものが育たなくても合理的に判断する領域を用いて、振る舞いでみんなが楽しんだり、逆にみんなに糾弾されるということを学習することは可能。
☞ よって、必ずしも共感能力がないことが犯罪に結びつくとは限らない。
超速ネット次世代AI Wi-Fi向いている職業
サイコパスの力を使っている人に、外科医や、シェフという職業が入っています。面白いです。
血を見る職業ってことですね。肉を切ることに関して、特に心の痛みは感じ難い。うまい料理も捌けない。手早くメスを入れたり捌いたりということは、共感能力が薄い方がやりやすいのではないかと思われています。
暴力は何故あるのか
我々の社会は、他者との共感によって成り立ってることも多いと思います。
共感によって絆が生まれたり、仲間意識が生まれたりします。他者を同情することで福祉政策も成り立っています。
そのため、社会にとって共感能力がない人は邪魔な存在なのですが、何故このような人が淘汰されなかったのでしょうか。
暴力というのは本当はない方がみんな楽で気持ちよく暮らせるのに、なんであるのでしょうか。
自分が働かずにただ乗りして飯を食ってる人に対して何か処罰を与えるとか、その制裁機能が必要な時に、サイコパスはみんなの利鞘を利用して、ある意味ただ乗りしているのです。その代わりとして、みんなができない決断を代わりにしているということも考えられるわけです。
なるほど、本当はあの人を外部に出したいけれども、ちょっとやり辛いなとおもうようなことを代わりにやってくれるんだと、共感性によって普通の人だったらブレーキをかけてしまうようなところを、サイコパスは躊躇なく決断できるのです。そういう機能が必要な場合があったので細々と100人に1人という非常に少ない割合ながらも生き延びている、と考えられるのです。
マイナビふるさと納税共感能力とは人からの評価を重視する事
共感能力は言い換えると人からの評価を重視するということにもつながりますね。
やっぱり反社会の逆向きなので向社会性という風に言えます。プロソーシャルというふうに思いますが、他人に非難されてもあまり意味がわからないという感じで、鋼のメンタルみたいな人かもしれません。
それで、あの人は冷酷だなというように思われても本人はあまり気にしません。どんな評価をされてもそれほど気にしなかったりで、ただ収入に直結したり地位を揺るがすような攻撃をされたりすると、それにはすごく切れて反応したりするわけです。しかし、自分の評価が低いことなんかに関しては、そんなにクリティカルに反応しないです。むしろ、その行動が自分に得になるってことがわかれば、別に他人の評価に関係なく動けるということですね。
カリスマ性のあるサイコパスの特徴
- 他の人には見られない強さ・・・他人の評価を気にしない、鋼のメンタルみたいな人
- 周りへの忖度なしに、パッと決断する潔さ
☞ ダークヒーローのような存在
このことに関しては、今の我々からすると他人の評価ばかり気になって動けないという人も多いようなので、動けない人からすると少し羨ましいところもあるようです。羨ましいというサイコパス性は、カリスマ性が高いということに繋がります。
しかしながら、もっとネガティブなものだとも言われています。取り扱い注意の存在であることには変わりないと思います。
また、環境によってかなりどちらかに振れ幅が大きい存在だというはできると思います。最近、我々が例えば環境のせいだとか社会によってそうなったんだっていうふうに思っていたことが、実はもっと根深い生物学的な根拠がある身体的な根拠があるっていう形でどんどん明らかになってる。これはあの脳科学だけじゃなくて、進化生物学だとかそういったものも、実は人間は、ものすごく進化の過程で出た性格とか性格的な要素が大きいんではないかという感覚ですね。持って生まれたこの性格は変わらないものなのか、とかですね。
育ちでも性格は変わる?
そんなことはないという研究もあって、一番有名なのが利根川進さんの研究です。
2000年の前半に、遺伝的に作った生まれつき頭の悪いマウスを使った研究を発表しています。
<実験方法>
●育て方で2つのグループに分けて育てる。
一つのグループは普通のカゴの中で育てる。
もう一つのグループはすごく刺激豊かな環境(パラダイス)で育てる。
●結果
☞ 刺激豊かな環境(パラダイス)で育てると遺伝的には一緒だったにも関わらず記憶学習能力がすごく良くなった。
また、違う実験として下記データがあります。
●お母さんからたくさん舐められ、しっかり可愛がられて育ったラットは、そうでないラットに比べて
- ストレス耐性が上がる。これは脳科学的に上がるのです。
- 危機に対しても、立ち向かえるような力が出てくる。あまり怖がらない。
- ストレスのかかる環境でも、果敢に挑戦するというような振る舞いをするようになる。
これが前帯状皮質と偏桃体に物理的な変化があったというのが面白い。環境によって、母親に舐められるという経験が、実は遺伝子にも影響を与えてたというのです。
確かに我々の聖徳的な特徴は進化の過程で徐々に、身につけてきたものです。人間が集団でサバンナに出て集団で生活しなければいけないから、集団的な傾向もついたということで言えば、結局は環境の中で形成されてきたということ、長い歴史の中で我々が生きている環境の中でも変化しうるということなんです。
実は2つの要因があります。
- 塩基配列そのものの変化が世代を経て検証されるには、何百年かかかる。何世代を経ないと変わらない。
- 1世代ぐらいの間で環境の変化が、答えに影響を与えるには、遺伝子に塩基配列そのものが変化しないといけないが別の形で遺伝子に蓄積される。別の形とは、塩基配列を修飾している化学構造が変化する、そのような形で情報が蓄積される。
*人間だけが持っている特殊で顕著にある形質は、認知で学習できるということ。
自分は生まれつき反社会的な傾向を持っているけれども、こういうことをしちゃいけないと学習することはできるのです。
これは、実は大きな要素です。
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世代を経なくても1世代何十年もかからずに、何年あれは1日で変わることも可能であるという事が人間の持っているアドバンテージでもあり、何十億も繁殖できた理由です。
他人への共感力がなくても、他人が喜んだら自分の得になるという形で、行動を学習していくことは十分できるのだということです。
例えば、他国の元首プーチンとトランプのように、とても共感的に友情を結び合えるような人格には思えないのですが、戦略的互恵関係を結ぶことはできると思います。そうすれば平和は実現されるわけです。
お互いに得になるという関係を築ければいい。現在サイコパスとは非常に厄介な存在と思われるかもしれませんが、彼らの能力をうまく生かして、普通の人がサイコパスの高い人と付き合っていくには戦略的に互恵関係を築くということが一番の方法かも知れません。
その場合はプロセスはあまりこだわるのではなくて、結果を重視するならばうまくいくのではないかということです。わかりやすいメリットを提示するというのが、彼らとの付き合い方の一番のいい方法のようです。このことは、不快な人間との付き合い方があるのだということですね。
まとめ
サイコパスのような特性は、遺伝の要素が強く学習で変わることは少ないと思っていました。しかし、実験で学習(育ち)によって変化を及ぼすことができると分かって、非常に興味深いですね。
すべてが変化可能とは思わずに、結果重視であれば不快な人とも付き合えるという事は試してみたいと思いますね。
かなり難しいですが!