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夏の甲子園大会は実施しても良いのだろうか? 建設的な討議が必要では!

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夏の炎天下で野球の大会を実施するのは心が痛むのですが、如何なものでしょうか?

最近は、投手の球数制限とか設けて気にはしているようなのですが抜本的な対策には至っていないように思います。暑さ指数で、外での運動は禁止と謳っている時にテレビで積極的に放映しているのは説得力に欠けますね。観る方も辛いです。

ヒロおじ
ヒロポン

そうなんですよ。高校生には罪はないのですが、現在の気象状況は昔とは変わって来ているので、真剣な討議が欲しいですね。犠牲者が出る前に対処したいですね。

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真夏の甲子園はいらない

上記見出しの様に、かなり辛辣な内容の記事を書かれているのは小林信也さん(スポーツライター)と玉木正之さん(スポーツ文化評論家・日本福祉大学客員教授)です。

主な要因

  1. 昨今の異常なまでの暑さ
  2. トーナメントで実施する愚かさ
  3. 「夏の大会」の時期が動かせない

<提言> NHKは甲子園中継をやめるべき

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1.昨今の異常なまでの暑さ

小林さんの意見として、「直接的な要因は、昨今の異常なまでの暑さです。 数年前まで、中学の硬式野球の監督をしていた時に、40度近い炎天下で1日に3試合をこなしたことがありました。その時に、熱中症で1人の生徒が倒れてしまったのです。幸いにも、救急車で病院に搬送してもらい、事なきを得ることが出来ました。この件は、猛暑下で野球をすることの危険さと、特に高校野球の認識を大きく変える出来事でした」 その時に同時に感じたのが、指導者として、教え子に取り返しのつかないことが起こった場合、責任の取りようがないことです。

自分も少年野球の指導の経験があり、練習試合の審判をしている時に「やばい、無理すると倒れる」と感じたことがありました。その時は、急いで水分補給を行うことで難を逃れることが出来ました。熱中症は、気を付けていてもじんわりと襲ってくることがあります。気が付けば倒れていたという事もあります。

多くの指導者は、熱中症の恐さは頭では理解していると思います。しかし、あいかわらず毎年熱中症が発生し減少傾向にないことを考えれば、もっと真剣に向き合わなければならないのかも知れません。

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2.トーナメントで実施する愚かさ

高校野球は主にトーナメントで実施されます。そのためか「勝てばいい」という考え方がはびこっていて、甲子園に出場するような強豪校ほど、勝つために色々なこと、中には卑怯なプレーをする事もあります。マスコミが欲しい爽やかなスポーツマンシップだけではないのです。

また、前述の玉木さんは、「負けたチームが次はどうやれば勝てるのかを考え、次の試合に挑む。それによって、チーム全体、個々の選手が高まっていく。これがスポーツの醍醐味です」とも述べています。

トーナメントのデメリット

  • 「勝てばいい」という考え方がはびこる
  • トーナメントでは負けたら終わりなので、勝てる戦術しか使わない。そして、勝てる選手しか使わない。

その為 ☞

  1. 多くの素晴らしい選手がいるのに使わない、使えない。
  2. 多様な戦術や様々な選手のプレーが表現されることもスポーツの醍醐味で、面白いところであるが失われている。

世界的に見ても、野球のやり方はリーグ戦が主流です。 しかしながら、甲子園のように多くのチームの中から1チームの優勝者を決めるには、トーナメントが時間も労力も掛からずに手っ取り早いのです。また、昔の大学入試の様に一発勝負の醍醐味があるのは、別の意味ではありますが…。

3.「夏の大会」の時期が動かせない

「夏の大会」の時期が動かせないのは、本当なのでしょうか?

「時間がない」「場所がない」というのが、関係者側の言い分であります。

玉木さんは、夏の大会の時期を秋にずらせばいいと考えています。土日のみで、各学校の野球グラウンドを利用して試合をすればいいというのが彼の発想です。甲子園の試合を土日でやることは、それほど難しいことでもないのです。有名強豪校は、土日に遠征して練習試合を行っているので調整すれば可能になります。

別の問題として、高校野球においては、甲子園のみがものすごく価値があるような捉え方が、長きにわたってされてきました。そろそろ高校野球に新しい風を吹き入れ、それを発信していく時代に入りつつあるように思います。

NHKは甲子園中継をやめるべき

高校野球の甲子園のみが、ものすごい価値があるような捉え方をされている1つの要因に “NHKの甲子園中継” が挙げられます。小林さんは、高校生の部活動を何週間にもわたりNHKが全国ネットで放送することに疑問を感じています。甲子園中継をやめさえすれば、高校野球を取り巻くほとんどの問題が解決するのではないでしょうか。高校野球をはじめとする野球を支配しているのはマスメディアです。そのため、問題が山積していても誰も何も言えない、動けないし、動かない。もうそろそろ考えを改める必要があるのではないでしょうか。

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夏の甲子園大会をやめられない訳

元大蔵官僚で経済評論家の高橋洋一さんがYouTubeで上記見出しの内容を発信されています。儲かっているから止められないそうです。単純で分かり易いですね。

夏の甲子園大会の収支の概略をまとめます。

<2022年104回の甲子園大会>

項目内容
収入(ほとんどは入場料)9.4億円
支出(経費諸々)6.1億円
収支(差し引き剰余金)3.3億円

粗利が3億円以上あり、高校のイベントでこれほどのインパクトがあるものはないそうです。また、テレビの放映権利を取らなくて放映しているNHKとABCもタダでこんなに視聴率を取れる物はありがたい限りです。

主催は、高野連と朝日新聞で朝日新聞としても販売促進などで悪くない事業です。

高野連は公益財団法人で法人税がかからない団体です。2022年の2月決算では、資産が12.5億円、それで負債借金は1.4億円、ネット資産が11.1億円。それで上記の剰余金が3.3億円がそのまま追加されることになり、超優良団体です。コロナで2年間苦しい時期があったので、その前は18億円ぐらいネット資産があったのですが下がって11億円になったという事のようです。

テレビ放映なので、あれほど注目されることがなければ、過剰にスター化することもなくなります。強豪校が学校経営の手段として野球を利用することも少なくなるでしょう。そうなれば、中学生も高校生も、時代錯誤なスパルタの練習から解放されて、のびのびと野球を楽しむことができるようになるのではないでしょうか。

まとめ

自分は昔から「巨人の星」世代で夏の甲子園は好きでした。また、子供の関係で少年野球と関わりを持ったことで、より高校野球にも関心を持つようになりました。

少し前までは、夏の炎天下で死闘を繰り返し、時には1人のピッチャーが延長戦を投げ切る姿に感動を覚えていました。

しかし、大谷翔平選手や佐々木朗希投手の日本人離れした活躍を見ると同時に、逆に甲子園で優勝し期待されてプロの世界に入った選手の活躍が、思った以上に聞こえてこないギャップを感じるようになりました。高校生の体の成長と過酷な甲子園大会の現状を鑑みた場合、次第と素直に応援できなくなっている自分に築きました。

スポーツ医学や気象関係、特に熱中症などの知識が豊富にある現代において、決して良いことばかりではない夏の甲子園大会の在り方を抜本的に考え直すいい時期ではないかと思います。

2024年の夏の大会では、朝夕の2部制に実施や水分補給タイムを設ける等、改革が始まった感があります。また、7回制の検討などが始まったニュースを聞くと真剣さが感じられますね。

引き続き、より多くの人がハッピーになれることを考えていきたいものですね。

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