口癖に良いと悪いがあるのですか?
はい、ありますね。口癖が、思考力を低下させたり、脳に悪い影響を与えている可能性があります。
知らないうちに、脳の働きが悪くなるのは嫌だな。
心と脳機能との関係を説明しましょう。
仕組みが分かれば、いけないことも理解しやすいですね。
脳機能を低下させる:“疲れた”、“嫌い”
仕事や勉強中に、何気なしに「疲れた」「嫌いだ」「おもろない」と口ずさみませんか。無意識に愚痴をこぼしてしまったりしませんか。
決して悪いことだと思っていませんよね。しかし、こういう否定的な言葉は、脳に悪影響を及ぼし思考力を低下させる原因になるそうなのです。
脳医学者で『脳に悪い7つの習慣』の著者林成之氏によれば、「否定的な言葉は自分が言うのも、誰かが言っているのを聞くのもよくなく、脳にとって悪影響しかない」とのことです。
その訳は、否定的な言葉を発したり、耳にしたりすることで、脳の『A10神経群』という部位が反応し、目の前のやるべきことに対してマイナスのレッテルを貼ってしまうからなのです。
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A10神経群は感情のレッテル貼り
林氏によれば『A10神経群』とは、危機感や感動、好き・嫌い、おもしろい・つまらないといった感情をつかさどる神経核が集まる部位。目や耳から入ってきた情報に感情のレッテルを貼る役割を担っています。貼られたレッテルは、その後の脳の働きによくも悪くも影響を与えるのです。
A10神経群 | 脳のパフォーマンス | 脳の疲労 |
面白い、楽しい ⇒プラス(ポジティブ)なレッテル | 〇 向上 理解、思考、記憶が良くなる | 脳は疲れを感じない |
疲れた、つまらない、嫌だ ⇒マイナス(ネガティブ)なレッテル | ✕ 落ちる 理解できず、思考深まらない、 記憶しにくい | 脳は疲れを感じやすい *A10神経群が脳の疲労を除去する中枢とつながっている |
否定的な感情により働きを抑え込まれた脳は、マイナスのレッテルを貼られた物事について、理解しづらいし覚えづらいという状態。一方、プラスなレッテルにより判断力や理解力などが高まる(これを「同期発火」という)と、脳は「なるほど」「もっとやってみたい」という気持ちを起こしやすくなります。それが意思決定や記憶をつかさどる部位にも伝わり、新しい発想や記憶がしやすくなって学びがどんどん加速していくのです。
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私は、理数系が得意で文系が苦手でした。これは本人及び周囲の刷り込みによるものかと思っていましたが、まさしく、A10神経群によるレッテル貼りの賜物でした。
“好き”、“できる”というものは、プラスなレッテルで同期発火を起こしプラスに転がる。逆に“嫌い”、“できない”というものは、マイナスのレッテルで負の働きでよりマイナスに転がる。その通りの結果になりました。無理にでも、“好き”と言い換えたら事態は変わるかもしれません。
感情が脳機能に影響を与えるメカニズム
こうしたメカニズムをうまく活用できれば、能力を引き上げることができるはずです。
理解力や思考力、記憶力のパフォーマンスが最初の「感情のレッテル」によって左右されるのなら、理解力・思考力・記憶力を高めるためには、まず、「面白い」「好きだ」というレッテルを貼ることが重要だということです。
目から入った情報は①「大脳皮質神経細胞」が認知し、②「A10神経群」と呼ばれる部分に到達します。「A10神経群」は、危機感を司る「扁桃核」、好き嫌いを司る「側坐核」、言語や表情を司る「尾状核」、意欲や自律神経を司る「視床下部」などが集まった部分です。A10神経はいわば感情を司る中枢で、五感から入った情報に「好き」「嫌い」「楽しい」などという感情のレッテルを貼ります。そのため、A10神経群が壊れてしまうと「気持ち」を生むことができなくなってしまいます。
レッテルを貼られた感情は、次に③「前頭前野」に入る。ここで情報を「理解・判断」し、自分にとってプラスの情報と判断すると、その情報は④「自己報酬神経群」に持ち込まれ、さらに価値のあるものにするため、「線条体―基底核―視床」、⑤「リンビックシステム・海馬回」に持ち込まれる。このような流れをつくりながら、脳は考える仕組みをつくり出しているのです。
つまり、大脳皮質神経細胞が認知した情報について、脳は「A10神経群」「前頭前野」「自己報酬神経群」「視床」、記憶を司る「リンビック・海馬回」を総動員して取り組み、思考します。その際②〜⑤の神経群が一つの連合体として機能しているため、これらの神経群を林氏は「ダイナミックセンターコア」と名付けました。ここで、人間の感情や考え、記憶などが発生するのです。
俗にいう秀才の育成は、幼児期からいかにこのダイナミックセンターコアを刺激するかにかかっているのです。
【最短翌日配送】スポーツデポの公式オンラインストア凡才を秀才に育てる仕組みは『好き』になる、させること
ダイナミックセンターコアの神経回路は、情報処理を繰り返しながらグルグルと回る無限のループ状になっているため、繰り返し考えることによって、「気持ち」→「思い」→「心」が階層的に深まっていき、やがて常識を超えた新しい発想を生み出すようになる。
これが、あらゆる分野で一流と超一流を分かつ脳の構造の仕組みとなり、凡才を秀才に育てる基礎になります。
ここで音楽教室や少年野球のやり方を、当てはめてみましょう。音楽や野球を「好き」「楽しい」と子供が判断すれば、それが自己報酬神経群やリンビック・海馬回に持ち込まれる。この思考を繰り返しの練習で反復することによって、脳への刺激が強まっていくということになります。
ここで気を付けなければならないのが、親の疑念が、子どもの学習能力を落とすということです。親が少しでも音楽教室や野球に疑念の表情を見せれば、子供にも敏感に伝わります。その時点で、「好き」「楽しい」の気持ちが揺らぎ、子供の学習能力がガクンと落ちてしまいます。
幼児教育に適した「年齢」とは?
赤ちゃんから3歳までは脳細胞が増え続ける時期なので、未熟な脳に負担をかける知識の詰め込みは良くない。3、4歳ぐらいから脳細胞の間引き現象が起きるので学習効果がない。
4歳から7歳ぐらいまではいらない脳細胞が減り、反対に生き残った細胞で神経回路が組み込まれるので、この時期に五感からどんな情報が脳に伝達されたかで脳の回路の大枠が決まる。7歳から10歳ぐらいの間に組み込まれた神経回路が発達するので、学習効果が高まります
「最近は効率を重視することがいいとされる風潮にありますが、脳の思考力を存分に発揮させるには、時間をかけて繰り返し考えることが必要です。子供たちには、せかすことなく時間をかけてじっくり考える習慣を身に付けさせなくてはなりません」(林氏)
至極がもたらす、至福のひととき。blissful coffee(ブリスフルコーヒー)まとめ
たった一言「疲れた」「嫌い」のマイナス(ネガティブ)発言が、脳機能および活力までを奪ってしまう。それは、本人の発言だけではなく、周囲の誰かの発言であっても影響を受ける。
非常に大切な事ですね。マイナス(ネガティブ)発言ではなくプラス(ポジティブ)発言の重要性がわかりました。
やはり最初の些細な一言(口癖)、大切にしたいですね。