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少年野球界が遅ればせながら指導者へメスを! 資格導入でテコ入れ

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ヒロポン

少年野球の指導者は誰にでもなれるけど、子供への責任は感じて欲しいです

そうだね。指導方法は色々出てるけど旧態依然とした昔のやり方だけでは良くないな。指導者も学ぶ姿勢が必要だと思うよ

ヒロジー
ヒロポン

そうですよね。子供たちの為にも学ぶ姿勢を忘れないようにして欲しいですね

昔はスパルタ式が普通

全日本野球協会(BFJ)の会長である山中正竹さんは、法政大学時代投手として活躍され、1年先輩に田淵幸一さん(阪神、西武)、山本浩二さん(広島)、同期には江本孟紀さん(東映、南海、阪神)のスター選手がいました。

山中さんが今の野球界、特にU12の少年野球について、話をしていますのでまとめてみましょう。

山中さんが活躍した昭和40年代は、日本野球が最も輝いていた時代です。当時、“巨人の星” のアニメが人気になりその内容がスポ根で、スポーツをどのように捉え、どのようにするかのモデルになっていたように思います。そして、野球の指導は、スパルタ式が普通で、根性がすべてのようでした。

今冷静に考えると、スポーツ界のガンが育った時かも知れないですね。まさしく日本古来の求道だけならいいのですが、その為には辛いことに耐え忍んでという旧軍隊式が同時に根付いてしまったようなのです。私自身も、上手くなるには嫌なこと、苦しい事に耐えなければならない、と刷り込まれていたように思います。

山中さんは、「あの当時は許されたとしても、今はそうはいかないよな、ということが頻繁にあります。私たちの時代は、殴られ、罵声を浴びせられても歯を食いしばって野球をしていました。当時の仲間には『それに比べれば今の奴は“やわ”だ』という人がいますが、私は眉をひそめて聞いています」と言われています。

日本スポーツ界ではとくに「暴力指導」の問題が、今もたびたびクローズアップされています。その根底には、上記の内容がはびこっています。

近年、法政大学でスポーツをしている学生にアンケートを実施しました。すると回答者の内30%に近い人が一部にせよ『暴力肯定』論者でした。何とも寂しい話だと思います。彼らが暴力に肯定的なのは、中学、高校で暴力的な指導を受けた経験があるからでしょう。大学まできてスポーツを続けている人は、その道の成功者です。“あの高校、中学のあの先生の厳しさがあったから今の自分がある”と思っているのだと思います。それが成功体験として残っているのです。つまり『厳しさ=暴力』というふうにとらえているから暴力を否定できない。この考えのサイクルが負の連鎖として継続されていくのです。

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また、選手と監督は、ともに勝利を目指す仲間であり、対等な立場でお互いに信頼関係を持ちリスペクトし合う関係なのです。これがスポーツの根源的な要素だと思います。しかしながら、今でも日本のスポーツ界では往々にして、監督が上から目線で “俺の言うことを聞け、聞かないものは試合に出さない” という風潮があります。これは昔の富国強兵策から軍国主義時代の考えが続いているからです。上官の暴力に耐えるのが強い兵隊さんだったのですが、戦後もその価値観が残っているわけです。

脳科学での実験

『厳しさ=暴力』の指導方法が、如何に人の行動をゆがめるかの実験があります。脳科学者の中野信子さんが述べています。

マウスに左の道に行くことを覚えさせる実験です。用意したのは2つで、飴となる餌を左側にセットし、鞭となる電気ショックを右側にセットする。1番効率よく覚えさせる方法を探り当てます。

方法   結果理由
1飴と鞭の両方をセッティング入り口で電流がある場合、マウスが入り口で動かなくなる。動かなければ電流のショックを受けることがないと判断
2飴だけをセッティング 〇 電流のショックがないので、飴に向かうことができる
3鞭だけをセッティング入り口で電流がある場合、マウスが入り口で動かなくなる。動かなければ電流のショックを受けることがないと判断

指導でよく使われる1の飴と鞭。これはオススメできません。やっぱり飴と鞭、両方あった方がいいんじゃないかと考える人が多いんですが、実際にやると、マウスが入り口で電流がある場合、動かなくなるんです。ここを動かなければ電流のショックを受けることがないと判断して入らなくなるんです。この中に入るとどっちにしろきっと痛いのがあるんだろうなって思うのですね。これが素直な本能の判断です。

これを人間に置き換えて言うと、1番いいのは餌だけがある2の状態です。飴と無視。うまく行った時は素晴らしいねと褒めてあげるうまくいかなかったときは、ほめない。何もしない無視をするのです。そうすると今日、先生は何も言わなかったなあって、子供は考えます。考えさせるってことは、そういうふうにするのです。何も言わないってことが効果があります。怒るとまた怒られるかなって思い動かなくなる。もしくは、怒られたくないので嫌々する。

『厳しさ=暴力』の指導方法は、まさしく3の鞭の指導ですね。結果、子供たちは動かざる負えないので動きますが、パフォーマンスは下がっています。見方を変えれば、昔も飴だけの指導を取っていれば、もっと子供たちのパフォーマンスは上がっていたのかもしれませんね。そして、途中で挫折する子供たちも減っていたかもしれません。

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統率が難しい野球界

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日本サッカー協会の傘下で、Jリーグからアマチュアサッカーまでが一枚岩のサッカー界。それとは対照的に、日本の野球界は、プロ、アマ、学生、社会人などさまざまな組織が乱立し、統制がとれない状態と言われています。

日本の野球界は、過去ずっと繁栄してきました。その間に軟式野球、高校野球、六大学野球、社会人野球、プロ野球、それぞれの組織が、それぞれの理念を持ちながら歴史を築き上げてきたわけです。

サッカーの組織はピラミッド型です。きれいでわかりやすいですが、野球は複雑で統率が難しい。でもこれを根本から変えるには、ガラガラポンをしなければならず、既得権益を考えても難しい話です。よほどの政治力がなければ不可能です。

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ライセンス導入

U-12指導者資格の導入なども、山中さんらのこのような問題意識が具体的に実を結んだものと言えそうです。

すでに野球界には、指導者が何万人もいます。資格と言うと “勉強しなくてはいけないし、落とされたらどうしよう” というネガティブの声があがります。“なぜ必要なのか”と思う人もいるでしょう。今の時点では、必須にはしていませんが、ライセンスを持っていないといけない時代が必ず来ます。だから今から学び、準備をしようということなんです。

ライセンスを持っている指導者が、すばらしい指導をし始める。“あそこの指導は今までの野球とはちょっと違うぞ”となれば、選手も母親も注目する。“あそこに行けば野球を楽しく教わることができる。こんなことが学べる”となれば、選手はそちらに集まるでしょう。そうなれば、指導者もうかうかできず学ばざる負えなくなります。

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大谷翔平選手の出現で潮目が変わって来ています

以前であれば、プロ野球で実績のあるOBの発言は、絶対視され逆らう事は難しかったです。

それを大谷選手のMLBでの活躍が、大きなインパクトを与えています。MLBでホームラン王になる、投打2刀流でブンブン言わせている。少し前の日本人では考えられないことです。

その大谷選手が、スポ根のような強制的にやらされる指導を受けていたかどうかです。彼はどんなに偉大な成果を上げても、これで良いと慢心しません。絶えず向上心を持って(内発的なモチベーション)トレーニングを積んでいます。そのトレーニング内容は、キッチリとデータに基づいて、根性を付けるためだけにやっていることは皆無です。

先日も「走り込み不要論」でMLBのダルビッシュ投手がデータを基にして課題提供しています。また、日本野球界の課題として、スポ根野球に繋がる指導法を問題視しています。

今後の流れが楽しみですね。

まとめ

人間も動物ですから、マウスの実験は本能的に参考にしなければなりません。表面上は、あからさまの反応はしないかもしれませんが、根底にあるのは嫌なことはしない、さけるです。子供たちは、あの当時でも育て方が違っていれば、もっと良いパフォーマンスを上げていたかもしれません。我々は、常に学ばないといけないのですね。

時に、目から鱗が落ちることもあるかも知れないですよ。

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