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うさぎ飛びは役に立つのか? きついだけではないのか

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ヒロポン

昔は足腰を鍛えると言えば、うさぎ飛びでした。きつかったですネ

最近は、腰やひざを痛めるという事でうさぎ飛びの強要はなくなってきましたね。しかしながら、きついトレーニングは減ってきたとは聞かないですね。

ヒロおじ
ヒロポン

実のあるトレーニングであれば良いのですが、どうなんでしょうか

きついトレーニング

横浜ベイスターズのファーム監督・仁志敏久さんの著書『指導力〜才能を伸ばす「伝え方」「接し方」〜』より一部参考にさせてもらいます

「この練習は、何の意味があるんだろう?」と、疑問を抱いて練習をした経験がある人は少なくないのではないでしょうか。仁志さんも野球を始めてから現役を終えるまで、数えきれないほどそのような疑問を抱く機会がありました。

何のためにやっているのかわからない練習に意味も効果もありません。選手たちにとって、時間は限られているので、指導者の思いつきや一方的な解釈の押しつけは、極力避けなければなりません。

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なぜ「うさぎ跳び」はダメなのか?

「これは、きついからなぁ」と、その練習をやらせる理由の一つに指導者の安易な発想が信じられないですがあるようです。

きついから”というそれだけの理由でやらせようとしているのです。そのような代表的な練習が “うさぎ跳び” なのです。

きつい練習の代表

代表的な練習 ☞  “うさぎ跳び”

何を鍛えているのか。鍛えられたものはどんな時に役立つのか。明確な答えが分からない。

 その為、きついからやらせていたのだと勘繰りたくなります。選手が、クタクタになった姿を見て指導者は満足をするのです。

プロ野球の “特守” と言われる守備練習も似ているのでは

 “特守”が、まったく意味がないとは言いませんが、守備練習の類として考えているようであれば、思っているほどの効果は期待できません。

  1. 前後左右、幅広い方向に何本もノックを打たれ、飛びついては起き上がってまたゴロを追う
  2. 全身泥だらけになって、最後は立っているのも精一杯というほど足元はフラフラになる
  3. もはやゴロを捕る形など、どうでもよくなってくる

 ☞ 守備練習というよりは、持久的な体力トレーニングといったほうが分かり易い

終わってゼイゼイしながらグラウンドに倒れ込む選手に、「いい練習だっただろう」と、声をかけるコーチがいます。果たしてこの練習に何を期待しているのでしょうか。少なくとも技術を磨くことには繋がりません

よく聞く話ですが、きつい練習を課し、「それはレギュラーになるためには乗り越えなければならない壁なんだ」というような決まり文句を言う人がいます。なぜレギュラーになるために、役に立たないきついことを乗り越えないといけないのでしょうか。不思議です。ただ、確かに言えることは、やらせる側の一方的な満足で終わり、選手の成長や技術の向上にはあまり役には立っていないということです。

 的を射た練習内容を思いつかないから、「昔ながら」をやっぱりやってしまう。結果的に招くのはいつの時代にも消えない意味が分からない練習。そして、費やした時間と労力ほど、技術的な効果は身についていないという現実があるのです。昔のスポ根漫画に出てくる風景ですね。

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選手にとってのいい練習だったのでしょうか?

きつい練習がダメだと言っているわけではないのです。意味のある練習ほど、きつくつらいものです。そこに労力を費やす確かな意味があれば、選手はその練習に自主的に取り組みつらい壁を乗り越え、その練習に納得するから継続もできます。

しかし、現実はそうではなくて、倒れ込むくらい疲れることをすれば上手くなるんだという漠然とした勝手な思い込みで、選手をひたすら痛めつけることに終始する。

これらの練習でいちばん満足しているのは誰でしょうか? 指導者にとっての満足であれば、考え直さなければなりません。指導者と選手が共有する時間は、長くても短くても貴重なものです。選手にとって無駄にしていい時間はありません。そのことを指導者は常に考えておかなければならないと思います。

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今は、MLBに多くの日本人が渡り、現地で練習方法についても学んでいます。そのフィードバックをダルビッシュ有選手を筆頭にSNSで呟いています。中には、昔ながらの練習を主張する大御所に鋭い突っ込みを入れることもあり、非常に参考になりますね。

なぜ大人たちは子どもたちに「なぜ」と言わせない指導をするのか?!

また、指導者の勉強不足についての情報がネットにありましたので紹介します。カズコーチはプロコーチとして様々なチームを見てきました、とネットで発信されています。

少年野球、学童野球、中学野球部、リトルリーグ、シニアリーグなどでは、選手に「なぜ」を言わせない指導が多いです。指導者自身が勝手に正しいと思い込んでいることを、子どもたちに頭こなしに教え込むやり方ですね。そして、指導の後は、決まって「分かったか?」と子供たちに問います。子供たちは、みんな口をそろえて「分かりました」と答えます。それで指導者は満足するのです。実際は、子供たちは右から左にスルーの感じです。深く理解しようとするよりも、早く指導者から離れたいという心情が大きいのです。

子供たちに「なぜ」と言わせない理由

指導者たちが最新の野球指導法をまったく勉強していないから

☞ 子どもたちに「なぜ」と聞かれても答えられないので、「なぜ」を言わせない頭ごなしのやり方をする

また、カズコーチにレッスンを受けにくる子供たちの99%は、自分から「なぜ」を聞きにくることはありません。色々な動作を指導していても、なぜその動作にすると良いのか、ということを、僕が指導する前に積極的に聞いてくる小中学生は1%いるかいないかという割合です。だからこそ、子供たちが気軽に「なぜ」を発することが許される雰囲気、環境を築く必要がありますね。

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良い指導者と悪い指導者の割合は22:78

 ユダヤの法則をご存知でしょうか?これは、世の中は常に22:78の割合で成り立っている、という考え方です。地球の陸と海の割合や大気の窒素と他の成分との割合であったりもします。17.1

良い指導者が22人いたとしたら、無能な指導者が78%いるということにもなります。

指導者の種類22%78%
指導者(100%)良い指導者(22)無能な指導者(78)
良い指導者(22%)素晴らしい指導者(4.8)普通のいい指導者(17.1)
無能な指導者(78%)最悪の指導者(17.1)無能なだけの指導者(60.8)

上記の様に常に22:78の割合で掘り下げていくと、世の中の縮図を作ることができます。

 実は良いコーチというのは自ら教えに行くことはないのです。コーチの最大の仕事は、とにかく選手を観察することです。選手の細かい動作の変化にトッサに気付けるようにしておくことが大事です。これができないコーチは、プロだろうとアマだろうと選手を伸ばすことはできません。

下表の肩肘を痛めるためのフォームを頭ごなしに教え込んだ監督は、今も現役の監督だそうです。その方たちが最悪の指導者(17.1%)に入るのです。このように指導者に恵まれずに怪我に苦しんだ小中学生は、本当に数え切れないほどいると思います。子どもたちが野球から離れる理由の1位・2位は常に怪我と人間関係となっているのです。

<肩肘を痛めるためのフォームを頭ごなしに教えられたレッスン生>

年代指導者内容
中学(シニアリーグ)シニアの監督肩肘を痛めるフォームを強要
   ↑   ↑肩肘の痛みを訴え → 「走り込みが足りないからすぐ肩肘が痛くなるんだ」との返答
   ↑カズさん6ヵ月間のドクターストップ期間にカズさんのレッスン受講
→素晴らしいフォームに改善。肩肘は強く投げてもまったく痛まなくなる。レッスン後は125km/hと球速が15km/hもアップ
   ↑シニアの監督「俺が教えたフォームがかなり崩れている。俺の言う通りに投げられないなら試合では使えない」と脅迫じみた発言
→再度監督に肩肘を壊すためのフォームに戻され、故障再発
中学(カズさんレッスン)カズさんシニアチームを退部し、カズさんのレッスンだけを受講。フォーム復活
高校、大学各監督「本当に良いフォームで投げている」と褒められ、故障もない。各監督とは良好な関係

最終的に大学で神宮デビューした上記の肩肘を痛めた子は、中学時代は怪我にも泣かされ、指導者との人間関係にも恵まれない状況でした。でも彼は野球が好きだったので、諦めることなく頑張ってトレーニングを続け、結果的に高校・大学では良い指導者に恵まれました。そして高校の監督も、大学の監督も、疑問に思ったことはいつでも聞くことができ、質問をすると一緒に真剣に考えてくれたそうです。これこそが素晴らしい指導者のあるべき姿だと思います。

小中学生のチームにも、本当にこのような指導者たちが増えてくれることを望みます。

まとめ

指導者に恵まれるかどうかは、子供たちにとっては死活問題です。本当に素晴らしい指導者に巡り合えればいいのですが、せめて勉強をせずに昔の自分が経験したことだけを頼りに指導する人の下には子供を預けたくないですね。

WBCのお陰でやっと野球人気が復活しそうな気配なので、指導者も気持ちを引き締めて本当に子供たちの将来を考えて指導して欲しいと心から望みます。

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