シニア世代 ライフ

60代以降、衰える人と衰えない人の差が広がるのは何故でしょう?

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ヒロおじ

年を取ると体力も知力も落ちてきている実感があるよ

決めつけない方が良いですよ。何もしなければ、老いていきますが頭を使えば脳の神経細胞も新しく生まれてくることが分かりました。

ケイ先生
ヒロおじ

そうですか。その気になれば、いつまでもチャレンジ出来ますね。

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65才からの変化

 アンチエイジングなどの情報が飛び交う現代において、人の外見は大きく変わりました。アニメ『サザエさん』(フジテレビ系列)に登場するサザエの父親・磯野波平さんの年齢の設定は、54歳なのです。驚きです。まるで初老の男性で少なくとも60歳の定年後に見えます。原作は昭和の戦後時に54歳の男性といえば、波平さんのような風体が一般的だったのでないでしょうか。現代の54歳は、俳優では織田裕二さんに当たります。外見の若さの違いは、如何ともし難いですね。

 同時に心も若返っているのでしょうか。残念ながら、心では昔と変わらず多くの老化現象が起きています。実は高齢になるほど、心の病気にかかり易くなっているのです。高齢者専門の精神科医として多くの患者を診てきた和田秀樹さんの著書の中から話を見ていきましょう。

下表のように、65歳をすぎると、20人に1人の割合でうつになる可能性があることを意識しないといけません。

項目うつ病に掛かる割合
~65歳3%
65歳を超える5%に上昇
理由年齢と共に心を安定させる「セロトニン」という神経伝達物質が減少する

60代以降は、社会的な変化も生まれます。

60代以降の社会的な変化心に芽生える感覚
1会社を定年退職(60,65歳,(70歳))
在籍しても60歳超えると処遇が変わる
会社での立場が変わる
責任は薄れる
2子供の独立喪失感安心感
3親の介護メンタルや体に良くない影響を与える
在宅介護は自由が喪失

上記のように60代から、体や社会的環境には大きな変化が生まれるため、心に不安や疲れがたまり易くなります。

  • 最近、物忘れが増えた
  • 急に気分が憂鬱になる
  • よく眠れない

上記のような諸症状が現れ、うつ病になる可能性が出てきます。

年を取ると、心身に変化が起こるのは当たり前のこと” という知識を持たずに症状が現れると、多くの人はパニックになってしまいますが、逆に、知識を持っていれば、冷静に対処、覚悟ができます。

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「キレる高齢者」は何故生まれる

年齢を重ねると起こりやすい現象として、“怒りのコントロールが悪くなる” ことは覚えておきたいものです。この変化には、脳にある前頭葉という部位が大きく関わっています。

項目  内容役割
前頭葉大脳皮質の表面の41%を占める
(生物の中で一番大きい)
人間らしい機能を担う
人間の脳の中で最も早く老化が始まる部位成長は一番遅く20代後半
40代から萎縮が目立ち始める人もいる
明らかに意欲や創造性が減っていく
50代、60代になると、本格的に前頭葉の機能が落ちていく
60代くらいから、急に怒り出すという人が増える
感情を制御する能力が衰える
前頭葉の萎縮で感情の抑制ができなくなる

前頭葉は、人間の脳の中で最も早く老化が始まる部位であり、早い人の場合は40代から萎縮が目立ち始めます。

性格の先鋭化

 同時に、怒りっぽい人がより怒りっぽく、疑い深い人がより疑い深く、頑固な人が偏屈に、優しい人がより優しくなったりする現象が起きます。

その為、“キレる高齢者” に代表される困った老人問題は、この性格の先鋭化が拍車をかけている可能性の高いです。

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年を取っても脳は鍛えられる

前頭葉が衰えることで、感情のコントロールや意欲、創造性が低下するだけではなく、新しい情報や考え方に対する柔軟性も失われていく傾向があります。

項目機能1機能2
前頭葉が衰える感情のコントロールや意欲、創造性が低下する新しい情報や考え方に対する柔軟性も失われていく
更に年齢を重ねる保守的な行動をとりがち
「昔からやってきたやり方を変えられない」
新しい挑戦を、大きな負担に感じてしまう
「いつも食べている料理以外のものに挑戦するのが億劫
ex.若手社員からのアイデア年配の社員が頭ごなしに否定
「そんなんじゃうまくいくわけない」
「そのやり方では通用しない」など
年配の社員の柔軟性の欠如がもたらす現象
老害の始まり

でも、心配はいりません。前頭葉は加齢によって縮んでも、60代から生活習慣を見直すだけで、機能の低下を遅らせることは可能です。

大人の高齢の方の脳の中でも新しく神経細胞が生まれている。脳は只、委縮するだけではないのです。84歳で亡くなるまで『ゴルゴ13』の執筆を続けた漫画家のさいとう・たかをさんのように、80代になってもクリエイティビティを失わずに活動し続けた人もいます。

 精神科医の和田秀樹さんが浴風会に勤務していた時、かなりな高齢なのに常にアクティブで若手に慕われている某政治家の脳のCT画像を見たことがあります。その方の前頭葉自体は “認知症なのでは” と思うレベルで萎縮していました。逆に考えると、脳が萎縮していても、使い続ければ脳の機能は衰えないのだという大きな事例を感じ取りました。

高齢になると個人差が大きくなる

衰えていくのは脳だけではありません。見た目が若くとも、身体機能や体力は年々衰えます。今まで運動してきていない方でも、60代からトレーニングを始めるのは決して遅くはないです。人間の体は、使い続けることで、高いレベルを維持することができるのです。

『使い続けることが大切』という考え方のポイント

※60代以降の人にとって、忘れないでほしいマインドの一つ
 60代以降は、体も脳も使わなければ衰えていきます。その為、60代から使い続けた人と使わずに放置していた人とでは、10年、20年経過した時の差は歴然と大きくなるのです。

2060年の予測・・・日本国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になる

 社会の中で高齢者が占める割合が非常に高くなります。上述の様に、個人の身体能力や脳機能が大きく多様化するので、大きな “健康格差” が問題になっていくでしょう。自分の立ち位置は、60代以降の人生の歩み方で大きく変わってくるのではないかと思います。

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まとめ

 一昔前は、脳細胞は衰えるだけで新規には作成されないと言われてきました。その為、脳が委縮して小さくなると言われれば、それだけで元気がなくなって新たに何かをチェレンジすることは滅相もありませんでした。

 最近では、80歳超えてからスマホのアプリを開発した女性が、話題になったりします。それこそ、気の持ち方ひとつで心身は変わるという事ですね。

 自分を必要以上には責めずに、それでいて前を向いて、楽しいことを考え行動して生きていきたいものです。

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