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人間の性質は生まれと育ちのどちらで決まる? 意外な結果が!

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ヒロポン

人の性質は生まれと育ちではどちらの要素が強く影響を与えるのでしょうか?

印象的には、育ちの方がウェートが大きいように思えますが、遺伝的な要素もあるかも知れませんね

サキ先生
ヒロポン

子育てや人材育成にも関わってきそうなので教えてもらえますか

遺伝率とは

カエルの子はカエルという言い伝えがありますけど、これは海外でも同じような言い回しのことわざが、多くあって子供というのは 外見だけではなく、言動や 好みとかというものも親に似るということが、多くの国でわかってるわけです。そう発言されるのは、脳科学者の中野信子さんで、内容を見てみましょう。

 子供は、両親の遺伝子を半分ずつ受け継いでできてきます。どちらから受け継いだものが、どう反映されるかという研究もあります。例えば、大脳新皮質の知能の部分は、お母さんから受け継ぎますと分かっている訳です。

遺伝によって引き継がれる割合を 遺伝率と言って、身長は遺伝率が70%と言われています。お父さん、お母さんの身長が高いと子供の身長が高くなる傾向があります。そして、先程の知能に関しては、50%ぐらいと言われています。


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性格は生まれか育ちか? どちらなの

性格のパーソナリティの部分となると、とっても興味深い パーソナリティとしてサイコパスというのがあります。アメリカの囚人でジェフリーランドという犯罪者がいます。

ジェフリーランドの半生>

年齢内容
生まれてすぐ養子に出され、裕福な環境で育つが、感情の抑制ができず癇癪(カンシャク)を起す
10才頃アルコールに浸る
その後強盗事件や、 薬物事件を起こす。更には殺人まで犯して、逮捕・収監された。
同時期に他の囚人からジェフリーランドによく似た 詐欺師にあったという報告があった。
その詐欺師は、彼が生まれてすぐに養子に出した実の父親だった。

育った環境は裕福で恵まれていたにもかかわらず、結局はお父さんと同じようなことをしてしまう反社会的行動の遺伝子は、怖いという話があります。

 犯罪心理学者の エイドリアン レインという人がいて、双子の研究からの彼の主張として下記があります。

●反社会的な行動・・・ 遺伝が40%から50%は関与している。 環境要因がだいたい4%ぐらい

反社会的傾向はそのまま犯罪に結びつくかというとそうでもなくて、反社会的傾向が社会において成功するために必要だという部分もあるみたいです。

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行動遺伝学

行動遺伝学は一卵性双生児と二卵性双生児のちがいをもとに、身体的特徴から性格や認知能力、身体的・精神的疾患まで、人の色々な性質の遺伝と環境の影響を調べる学問分野です。半世紀以上にわたって膨大な研究を積み上げてきています。そこで、『無理ゲー社会』の著者:橘玲(たちばな・あきら)さんがネットで関連する分野のことを述べられていので参考にしていきます。

行動遺伝学には、2000年に行動遺伝学者エリック・タークハイマーが発表した「3原則」を基にしています。

行動遺伝学の3原則

第1原則:人の行動特性はすべて遺伝的である
第2原則:同じ家族で育てられた影響は遺伝子の影響より小さい
第3原則:複雑な人の行動特性のばらつきのかなりの部分が遺伝子や家族では説明できない

*行動遺伝学とは、「こころ」を「遺伝率+共有環境+非共有環境」で分類、説明すること

項目    内容
遺伝率外見、性格、精神疾患などのばらつき(分散)を遺伝要因でどれだけ説明できるかの指標
ex. 身長や体重ではおよそ70~80%になる
共有環境「きょうだいが同じ影響を受ける環境」のこと
→ 一般には家庭環境(子育て)のこと
非共有環境「きょうだいが異なる影響を受ける環境」と定義(当初は遺伝率と共有環境で説明できない「測定誤差」と認識)
→「学校や地元の友だち集団」「教師」「ソーシャルメディア」など一人ひとりが異なる体験をする環境
 もっとも影響力の大きいのがピアグループ(友だち集団)

家庭内の非共有環境としては、「家族構成(生まれ順、性差)」「きょうだい関係(きょうだいへの嫉妬)」「子育て(子どもへの愛情のちがい)」などもあるが、きょうだいで親の接し方が異なるのは子どもの遺伝的特性によるかもしれない(手のかからない子どもにはやさしくし、手のかかる子どもはきびしくしつける)ということで分けなかった。

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また、家族外の非共有環境としては、もっとも影響力の大きいのがピアグループ(友だち集団)で、発達心理学者のジュディス・リッチ・ハリスは、子どもの人格形成に決定的なのは「友だち集団内の地位争い(キャラづくり)」だと述べている。

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遺伝か 環境か

パーソナリティにおける遺伝率、共有環境、非共有環境の影響を下記に示します。

図表4は、総計1455万8903人の双生児を対象とした1958年から2012年までの2748件の研究を2015年にメタ分析したもので、「パーソナリティ(性格)」「能力」「社会行動」「精神疾患」における遺伝率、共有環境、非共有環境の影響を推計したものです(*)。

【*参考:Tinca J C Polderman, Beben Benyamin, Christiaan A de Leeuw, Patrick F Sullivan et.al (2015) Meta-analysis of the heritability of human traits based on fifty years of twin studies, Nature Genetics /ここではCharles Murray (2020)Human Diversity: The Biology of Gender, Race, and Class, Twelve掲載のデータを抜粋した】

ほとんどの項目で遺伝非共有環境の影響が圧倒的に大きく、共有環境の影響はきわめて小さいことが分かる。

ウツや、適応障害などの原因

以前からの心理学や精神医学は、ウツや摂食障害、適応障害などの原因を幼少期の子育て(とりわけ母親との愛着関係)に求めるが、共有環境の影響は無視できるほどしかないという見解になっている。

分野遺伝率(%)共有環境(%)
(家庭)
非共有環境(%)
(友達集団)
ウツや摂食障害、適応障害など33~520~444~67
計算や認知、言語などの学習46~5613~2227~32
やる気や集中力44~570~243~55
仕事と雇用、親密な関係35~37063~65

計算や認知、言語などの学習及び知能は、中野さんの見解と同様に遺伝率がほぼ50%です。共有環境(家庭)の影響は約20%です。

やる気や集中力は、残念ながら子育てとはまったく関係ないようです。「仕事と雇用」や「親密な関係」のように、人生に決定的な影響を及ぼす性格特性にも共有関係はまったく影響しておらず、友達集団の影響が60%以上を占めています。

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例外的な共有環境(家庭)の影響

例外的に共有環境の影響が大きいのは、「インフォーマル(私的)な社会関係」「子育ての問題」「基礎的な人間関係」です。

分野遺伝率(%)共有環境(%)
(家庭)
非共有環境(%)
(友達集団)
インフォーマル(私的)な社会関係325910
子育ての問題273440
基礎的な人間関係303634

これは残念ながらポジティブな影響ではなく、幼児期の虐待などの悪い影響で友人関係や恋愛関係をうまくつくれなかったり、自分の子育てにトラウマの様に問題が生じることのようです。子育てはたしかに子どもの人格に影響を及ぼしますが、それは “極端な領域でネガティブな差異をつくりだす” 事のようなのです。

平均付近のほとんどの人にとっては、「遺伝が半分、育ち(非共有環境)が半分」ということのようです。

人生のあらゆる場面に遺伝の影はあり、自由意志に制約があることは間違いないようです。前述の中野さんも述べているように、仮に反社会的傾向がある親の子供の場合は、そのまま犯罪に結びつくかというとそうでもないのです。逆に反社会的傾向が社会において成功するために慎重に検討するなど、良い面が出てくることも考えられます。自分の手で運命を(ある程度)切り開いていくことはできるはずなのです。

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まとめ

遺伝は、想像以上に影響を与えているようです。しかしながら、人間の創世の仕組みからして当たり前と言えばそうなります。

ここで、次に問題となる友だちの集団です。想像以上に関係性が深いので正直びっくりです。親としては子育ての影響度合いからして自分でどうこうするというよりも、子供の友達関係が良好に行くように環境(学校選定など)を整えてやるなどを考えなければならないようです。

出しゃばらず、それでいて周りを整える配慮が必要かもしれないですね。

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