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『大谷翔平効果で少年野球の入団希望者が急増している』の真相! 少年野球の深刻な現実とは?

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マイ

大谷翔平選手の頑張りで野球少年が増えてきてるのですか?

確かに大谷選手の活躍の効果は大きいと思うよ。ただ増加しているかは調べないと分からないな

ヒロおじ
マイ

ここ10年の少年野球人口の減少は激しいものがあるみたいですね

これを機会に少年野球の見直しができればいいなと思うよ

ヒロおじ
マイ

子供たちが増えないとプロ野球も寂しくなりますものね

大谷選手の経済効果

 MLBの大谷選手による2021年の経済効果を、関西大学の宮本勝浩名誉教授が試算した結果、米国で203億円日本で36億円とされています。

SNSには「大谷翔平選手に憧れた小学生たちが、地域の野球チームに入団している」という投稿が見かけられます。本当なら嬉しい限りです。

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少年野球の現状

全日本軟式野球連盟による小学生の軟式野球プレイヤーの数をまとめてみます。

小学生の軟式野球プレイヤー(全国)備考
201029.6万人記録がチーム数のみなので、20人/チームでカウント
202018.7万人(約11万人減少:人口減少率の3~4
     倍の数)
記録がプレーヤー数に変更(2017年)
この10年間での小学生の生徒人口の減少率は10%程度
小学生の軟式野球プレイヤー(東京江戸川区)小学生の軟式野球プレイヤー(東京都)
20102477人(96チーム)
20201401人(72チーム)1万8180人
20211294人(65チーム)
女子選手:100~120人(ここ5年は安定)
1万7161人(6月末)

2021年時点では、東京都においては “大谷選手の活躍による登録選手増加” のデータは残念ながらありません。2019年以降、コロナ禍による感染対策でグラウンドの使用禁止での練習中止や大会の中止の地域もあったため、大谷効果があったとしても打ち消されてしまっているのではないかと思われます。

野球用具メーカーや卸業者に聞いても、野球用具の販売数値も、芳しくないようです。「大谷モデルは人気があり売れていますが、総量は伸びていない」とのことです。SNSの投稿も、一部の地域のものだけかもしれません。

将来的にも野球の競技人口は激減の予想

野球をする子どもたちは減少傾向にありますが、将来的にもその傾向が続くという試算が出ています。スポーツ庁が作成した「中体連の競技別加盟人数の推計」によると、軟式野球人口は2009年度に30万7053人だったが、2048年度には2万3575人に激減するという衝撃の予想が示されています。

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学童野球の問題は故障者の多さ

慶應大学野球部のコーチを務める上田誠氏は、今の学童野球に危機感を覚えています。上田氏は、慶應高校野球部の監督を1991年から2015年まで務め、春夏あわせて計4回、チームを甲子園に導いている名将です。

「学童野球のさまざまな構造を改善しなければ、たとえ大谷選手やプロ野球、甲子園の盛り上がりを見ても、子どもたちは野球をしたがらないのではないか」との意見です。主な課題は以下の項目。

項目 課題
パワハラまがいの強い言動での指導
外発的なモチベーション 
指導法が古く、自主性が育たない。下手すれば子供は野球嫌いになる
土日、祝は朝から晩まで練習練習時間が長い。子供の体への負担が大きい
親御さんがお茶当番をする父兄の負担が大きい。入団への足枷になる

学童野球には旧態依然とした部分がありますが、深刻なのは、故障者の多さです。

神奈川県では、おおよそ毎年20人以上の小学生が、肩や肘を手術しています。なかには、トミー・ジョン手術を受ける子も…。主な原因は下記が考えられます。

  1. 指導者の知識不足     
  2. 試合数と投球数の過多(投げ過ぎ)

指導者を含めた学童野球のあり方

神奈川県内の学童野球は、かつて2000チームあったが、いまや500チームに激減。逆に、大会は驚くほど多く開催されています。スポンサー企業が地元への社会貢献のために、学童野球大会の開催を好んでいるからです。

年間200試合以上やるチームもあります。プロ野球でも年間142試合です。

選手の体を考えて、全日本軟式野球連盟は、2019年に学童野球のガイドラインを制定しました。

項目内容
年間試合数         100試合以内(練習試合含む)                
投球制限 <目的>選手を守るため 各大会で、投球制限ルールあり

しかしこれには抜け穴があり、大会が異なればカウントできないので1日3試合を連投することも、咎められず可能になります。最後は、指導者の裁量の問題です。

「試合に勝つと子どもたちも喜ぶし、指導者もその日は美味しいお酒が飲めるんですよ」が本音のようです。悪くないです。みんな目的は同じです。

しかしながら、裏で一部の子供への負担が大きくなることも考える必要があるのではないでしょうか。

公式戦にエントリーすると、負けたら終わりのトーナメントでは、勝つためには上手な子が出続けるしかありません。その陰には、ずっと試合に出られない子がベンチにいるわけですから、勝利至上主義では他のものを置き去りにするわけです。

         

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指導者の意識改革

<指導者が子どもたちに教えるべきこと>

  • 野球の楽しさ
  • 好きな気持ちを持って、できるだけ長く野球を続ける

指導者の意識を改革しようと、連盟側も動き出しています。

東京都軟式野球連盟では、指導者資格の取得を各チームに促しており、2024年シーズンからは、一人以上の資格保有者のベンチ入りが義務付けられることになりました。

全軟連公認学童コーチ資格の
取得方法
7時間の講習が必要
講習内容         体罰・暴力・ハラスメントの根絶や、リスクマネジメント、スポーツマンシップ、
医学的知識 など

 

親の2極化

親のタイプ方針
野球の楽しさを伝えようとする
指導者に反発する
小学生からバンバン試合をやらせて、中学ではシニアかボーイズに入れて、
最終的には横浜高校に行かせたい
野球の楽しさを伝えようとする
指導者に賛同する
とにかく楽しく野球をして、ニコニコしながら帰ってきてほしい
監督の方針に文句を言う選手を全員出場させた監督に『今日はあの子を起用したから負けた』と詰め寄る

相容れない親たちの主張を調整しながらチームを運営するのは、政治的感覚が必要です。また、ボランティアだから、みんな好き勝手に言います。

だからこそ、明確なチームの方針が必要になってきます。

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まとめ

大谷翔平選手の活躍の効果は、少年野球の選手増加にはまだ寄与していないみたいです。それだけ、選手人口の減少が激しくなっているのかもしれません。(これは、2021年後半のデータなので、2年後はもっと改善しているかもしれませんね)

本来、野球は “投げて、打って、守って、走る” 体全体を使った楽しく、素晴らしいスポーツです。

選手のケガや故障は、他のスポーツも同様だと思われますが、肩、肘の故障は野球が特有で多いかもしれません。だからこそ子どもの心と体を最優先にした舵取りが、これからは特に求められます。

取り組みを間違えると、学童野球のアキレス腱になるかもしれないですね。

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