試合やプレゼンで、どうしても不安が頭を持ち上げてくるのですが何かいい対処法はないですか?
本番さながらのプレッシャー下でのトレーニングができるとメンタリストdaigoさんがネットで発信されていますので、紹介しますね
早速やってみます。良い練習方法かもしれないですね。
本番に似せた環境とは
練習する時にリラックスした状況だけの練習では、足りないという事です。練習する時から、ある程度のプレッシャーを設定した状況下でのトレーニングをしておくことが大事になります。この練習のメリットは、本番前に襲ってくる不安と恐怖に慣れることから、ワーキングメモリーが不安に乗っ取られる心配がなくなることなんです。
では、どのようにすればプレッシャーを設定した環境が作れるのでしょうか。
プレッシャープラクティストレーニング(PPトレーニング)
2005年のメルボルン大学の論文で発表されているものが参考になります。プレッシャープラクティストレーニングというものです。PPトレーニングのPPは、プレッシャープラクティスの略になります。
では、どのようにしてプレッシャーがかかる状態にするのでしょうか?それは、小さな三脚でも良いので用意して下さい。カメラやビデオカメラをセッティングして自分のプレイを撮影するのです。ビデオカメラで撮影しながら練習するだけです。最近であれば、スマホで自撮りしても良いですね。とりあえず誰かに見られる状態、あるいは後から自分が見れる状態でビデオカメラで撮ることが大事なのです。
メルボルン大学の論文では、被験者72人のピアノ初心者を2つのグループに分けて、練習を行なってもらいました。1つ目のグループは普段の普通の練習で、2つ目のグループはビデオカメラで撮影しての練習です。その後に、人前で演奏を行なってもらったところ、ビデオカメラで撮影されながら練習したグループは、本番のプレッシャーに強くなることがわかったのです。
つまり、初心者が普通に練習するのにも、ビデオカメラで撮られながら練習した場合と普通に練習した場合とでは、明らかにビデオカメラで撮られながら練習した方が、人前で演奏する時にプレッシャーを感じなかったのです。
それは、見られてるって感覚(明示的モニタリング)が緊張を作ってるから最初から見られている、あるいは後で自分でも見れるという状況(セルフフォーカス)でビデオを撮りながら練習すると、柔らかなプレッシャーを感じることができて、プレッシャーに対する耐性をつけてくれたことがわかりました。実際に、論文の中でも撮影されるという状況が本番を連想させるため、少しずつ脳がプレッシャーに慣れていくとあります。
その結果、ワーキングメモリが不安や恐怖感に乗っ取られる心配がなくなっていくのです。
スポーツの世界でも有効な事例があります。2009年、カリフォルニア州立大学のバスケットボールプレイヤーを対象に、同様の実験を行ないました。ビデオ撮影を行って練習した場合と、ビデオ撮影を行わない普通に練習した場合とで、試合を行ってもらったのですが、やはりビデオで撮影しながら練習したグループの方がプレッシャーに強くなるという傾向が見えたのです。つまり、ビデオで撮影したりとか、誰かに見られるような状況で練習を行うと、段々とプレッシャーに強くなっていく。ワーキングメモリーの乗っ取りが減っていくようです。
結論として、本番に強くなる練習をしたいのであれば、ビデオ撮影をすることが必要ということになります。
ハイクラスの副業「クラウドリンクス」ルーティンの効果
ルーティンは何かというと、ラグビーの五郎丸さんが、キックする前に決まったポーズ(拝みポーズ?)を同じ順番で行ったり、野球のイチローさんが右腕を回転させるポーズなどで気持ちを落ち着かせるために行う所作のことです。
2016年、ハーバード大学が、スポーツの世界でよく使われるルーティンの効果を確かめました。85人の学生を対象にした実験で、人前で歌を歌うという状況を設定しました。その前にルーティンをやった場合とやらなかった場合で、不安感や緊張感、恐怖感がなくなったかどうかを調べたのです。半分の被験者には普通に歌ってもらう。もう半分の被験者には、今からお話しすることをやってもらい、その後に歌を歌ってもらったんです。結果は、ルーティン行った被験者グループは、何もしなかったグループに比べて不安レベルが低く、血圧の上昇も少なかったことがわかりました。ルーティンは下記内容です。
- 今の感情を絵にして書いてみる。緊張してるところや不安を感じているところを絵にして書いてみる。
- その絵の上に潮を振りかける。
- 1,2,3,4,5と5秒を数える。
- 数え終えたら紙をくしゃくしゃにして、ゴミ箱に捨てる。
こんな行為に何の意味があるんだと思いますよね。私もそう思います。これは、只のルーティンなんです。しかし、このルーティンをやるだけで、なぜか何もしなかったグループよりは、不安レベルが低く、血圧の上昇も少なかったのです。
つまり、我々が緊張した時とかプレッシャーを感じている時に、すぐに物事に取りかかったり、なりゆきでそのままやろうとしたりします。逆に、待ち時間がある場合には、緊張することをやる時は前もって事前に一生懸命準備をしたり、頭の中でいろいろ考えたりします。失敗しないように、何度も頭の中でリハーサルをしたりするんです。これは、両方ともダメという事なんですね。
何故かというと、一気にやっちゃうと不安感が処理できてない状態ですので、“急いては事を仕損じる” ことが起きるのです。心臓のバクバクが収まっていないのですね。逆に時間を置いて、ずっとそのことを考えすぎちゃうとワーキングメモリーに隙間ができて不安や恐怖感が押し寄せて来るのです。
では、どうすればいいのか。一定時間、待たなければいけないのだけれども、セルフフォーカスしなければ良いので、全然関係ない鼻歌や無駄話などを行なって時間を費やせばいいんです。そうすることで不安に強くなれます。無駄話ができない状況では代わりに、細かい作業のルーティンをやるのです。ルーティンは同時に呼吸も整えられ落ち着くことができるので、平常心に近くになれます。
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ペナルティキックの成否
スポーツのサッカーでも同様のことが言えます。2012年に、関係団体が過去におこなわれたプロサッカーの試合から、400を超えるペナルティキックを調査しました。そして、ペナルティキックの成否を分ける要因のチェックを行いました。
結果として、ペナルティキックの成否を左右するのは、ボールを蹴る前の時間だということが分かりました。
蹴るまでの時間 | 決まる確率 | |
1 | セットして蹴るまでの時間が1秒以下の場合 | 58% |
2 | セットしてから一時多く、1秒以上の場合 | 80% |
動作をやる前、やってる間に余計なことを考えない(ワーキングメモリーに隙間ができても関係ないことで埋める)。だから自分のジンクスでは、“神に祈る” があるので、そのように決まったルーティーンを動作の間に挟むことができれば、ペナルティキックでも決まりやすくなるということがわかったんです。“間を作る” は、自分にも当然当て嵌まりますが、キーパーという相手がいれば相手も余計に要らないことを考える可能性が、出てきますね。
ココナラエージェントを見てみるまとめ
人の特性を考えた面白い方法です。私も、小学生時代初めて、校内放送でビデオカメラの前に立ったことがあるのですが、(もう50年前ですね)今でも鮮明に覚えています。緊張で、まともに話すことができませんでした。目の前には、誰もいないのですが、放送で皆に届くという事を想像してしまい、それこそ舞い上がってしまいました。それは、練習なしの1回きりだったのですが、プレッシャープラクティストレーニングを行なっていれば、変わっていたかもと今更ながら思います。
今は、スマホのカメラ機能が充実してきているので、上手く練習に活用して、本番に強くなれるようにしていきたいものですね。